禅語に触れる

生きていくために必要なものは実はとても少ない [漁夫生涯竹一竿] 禅の言葉

私たちはたくさんのものに囲まれています。いつでもお金は足りないし、良いものを食べて良い服を着て良い家に住んで良い生活をしたい、もっと良いものが欲しいという欲がとまりません。

そんな欲は時に生きていくための活力になるわけですが、そういった欲を原動力にしていいきていくのもつらくなります。そんなときにとても良い禅の言葉があるのでご紹介したいと思います。

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■ 欲しい欲しい欲しい

欲は少なく生きた方が良いというのは誰しも分かっていることですが、なかなか頭では分かっていても欲しい気持ちは止められません。

ちなみに私がお金に余裕があれば欲しいと思うものは山ほどたくさんあります。例えばですが、

・良いカメラがほしい。

・今のデスクトップパソコンに加えてノートも欲しい

・iphoneも最新の機種が欲しい

・スーツ/ワイシャツを新しく仕立てたい

・新しいメガネが欲しい

・広い家に住みたい

・海外旅行がしたい

・子供にもっと投資したい

などなど上げていけばきりがありません。お金や時間に余裕があればいくらでもそういった欲望に火がついてきりが無くなります。そういったものをむき出しにして原動力として生きるのも良いですが、たいていの場合は自分の中で折り合いをつけていきていくのが人間です。

「足るを知る」という言葉があるように、自分より厳しい生活をしている人なんてこの世に五万といるわけです。そういったことを普段から意識しないと自分がいかに恵まれているかを忘れてしまいます。

もっと最悪なのが人と比べてしまうこと。人と比べてはダメだとわかっていながら自分より良い生活をしている人を見ては凹んでしまったり、嫉妬したり、負い目を感じたり。とにかく人と比べるといかに自分がダメかということを考えて落ち込んでしまったりします。人が良いものをもっていると自分も欲しくなったりするわけです。

■ 今あるものに感謝しなくなる

こうしてほしいものを我慢し、人と比べて負い目を感じたりするというのは禅の教えとは真逆の思考回路に陥っているといえるのでそうそうに脱却する必要があります。

我慢ではなく「自分にとって本当に必要か?」ということを考え本当に必要であれば手に入れる努力をすればよいですし、実はそんなに必要としていなければ欲が消えていくはずです。また、「人は人」と考えて比べないこと、今あるものに感謝することを思い出せば徐々に人と比べることも意識的に減らせるはずです。

とにかく今ある家、環境、家族、食事、時間など感謝をすることが大切です。日本が占領され奴隷のように働かされ、時間の自由すらなくなるかもしれませんし、いつ自分が病に侵され生きていることすら許せなくなるかもしれません。とにかく今あるものに感謝するというところから始めないと欲に毒された心は浄化されていきません。

■ 禅の言葉「 漁夫生涯竹一竿 」

今あるものに感謝するというのはわかったけど、それだけでよいかというともっと考えを深めて今あるものを減らしていくという作業を私はお勧めしています。

断捨離の考えに近いところがありますが、今あるものを減らすことで残ったものにより愛着をもって接することができるというメリットが出てきます。

そんな時にご紹介した禅語が「 漁夫生涯竹一竿 」。読み方は「ぎょふしょうがいたけいっかん」と読みます。

今日の禅語

漁夫生涯竹一竿 (ぎょふしょうがいたけいっかん)

【意味】 漁師は生きているために釣竿一つでいいという意味。

■ 私たちが生きていくうえで必要なもの

この「 漁夫生涯竹一竿 (ぎょふしょうがいたけいっかん) 」という言葉が教えてくれるのは生きていくために必要なものはとても少ないということです。

本当に生きていくために必要なお金とモノというのは少ないということを認識すれば、絶対に失えないもの、絶対に手元に置いておきたいもの、絶対に大切にしたい時間が分かってきます。

スマホでゲームをするのと子供との楽しい会話の時間。どちらが絶対に大切にしたい時間かという質問は愚問ですよね。

やりたいことがたくさんあるけど、やらないといけないことがたくさんあってできないとストレスを抱えることがたくさんありますが、2つのことを思い返してしてください。

「そのやりたいことというのは本当にやりたいことでしょうか?」

「そのやらないといけないことというのは本当にやらないといけないことでしょうか?」

やりたいと思っていることを厳選することでTO DOを減らし、MUSTと思っていることも減らすとダブルで効果が出てきます。

本当に生きていくうえで大切なことに目を向けて欲からは卒業しましょう。今大切にしたいことはなんでしょうか。

Keiky.