以前、幹部試験や昇格試験でよく出題されるインバスケット試験について、私なりに勉強して本番をうまく乗り切ったときのコツを以下の記事にまとめました。
上記の記事がご好評をいただきましたが、さらに付け足してお伝えしたいと思った内容が出てきたため、あと2回、さらにインバスケット試験の対策を完璧にするためのコツについて記事にしたいと思います。
全部で3回に分けているので少し長いですが、何度も受けられる試験ではないと思いますので、この内容を踏まえていただくとさらにインバスケット試験のコツがつかめると思いますので是非あわせて読んでいただけたらうれしいです。
これからインバスケット試験を受けるという方は頑張ってください!試験は受けないけど勉強するという志が高い方も是非読んでいただければよいトレーニングになると思います。
では、第二回の内容にさっそく入っていきたいと思います。
第二回はずばり「優先順位付け」です。
Contents
優先順位付けの出題3パターン
どのインバスケット試験も基本的に優先順位をつけさせられます。大きく分けて3パターンくらいに分けられると思います。
パターン①すべて順番付けする
まずいちばんスタンダードなのがこのタイプ。20-22案件の処理を90-100分程度でする場合、最初に優先順位を付けておかないと完全に思考停止に陥ったり途中でパニックになります。
「インバスケットのコツ」の最初の記事に本番の進め方について記載しましたが、とにかく最初の20分程度で優先順位付けを完成させる必要があります。優先順位付けの付け方のコツについてはそちらの記事も見ていただきたいと思いますが、この案件をすべて順位付けするタイプが一番多いと思います。
パターン②ABCの三段階付け
次に少し優しいタイプで、ABCに分ければ良いというもの。これはパターン①よりだいぶ楽です。何故ならパターン①に対応するために、私の優先順位のやり方として「3つの山(緊急度も重要度も高いもの、重要度が高いもの、それ以外)をつくってその中で優先順位付けを行うことで20-22案件を優先順位付けしやすい」ということをおすすめしました。
ようするにこのパターン②についてはパターン①のやり方を覚えておけば、最初に3つの山に分ける時点で優先順位付けは完了しているということになります。なので、パターン①よりも時間を多く記述に使えることになります。
パターン③重要なものを選ぶ選択式
最後がこのパターン。優先順位付けをそもそもしなくていい代わりに、一番重要だと思うものを5つ抽出して対応する内容を書けというもの。パターン①や②よりも簡単ですが、その代わり記述欄が結構大きい場合もあり、書く内容の方を重視されるようなパターンがこのパターンです。
このパターンについては出題者側であらかじめ「選ぶべき5問」というのは決めてあります。正確にいえば「10問程度」特定されており、その中から5問ちゃんと選べていればOKというような判断がされるはずです。
ここで自分が選んだものが「重要ではなかった」という場合もありえるので、優先順位付けをする手間がない反面、選ぶ5件を外したらちょっと痛い形式の問題です。
それでもパターン①に慣れておけば基本的に大丈夫だと思いますので、あまり不安になりすぎず自信をもって選べば良いと思います。
優先順位付けがなぜ難しいと感じるか?
以上のように優先順位付けは3パターンが基本となることを押させておけばいいと思います。
ただ、じゃあ実際に優先順位付けをしてみたものの、正解と照らし合わせてみるとなかなか優先順位付けが合わないといった場合も多いと思います。
自分が優先度を5-7番目くらいにしていたものが正解では15-20番となっていたり、逆にこんな案件重要じゃないという判断をして17番にしたものが3-7番という回答だったりするとショックですよね。
「俺の判断が間違っているのか・・・」といったことに悩んでしまうケースが多いと思います。
不思議なのは同じ問題を何度解いても自分の回答が異なるという点です。その時の精神状態にも影響されます。ある程度同じ問題をとけばだいたい重要なものは間違わない(当然問題を知っているんので)ようになりますが、それでも中間に位置する重要性については普通に間違えることも多いと思います。
ではそんな私たちを困惑させる優先順位付けですが、どういった視点をもつことで私が乗り切ったか、コツをつかんだか?ということについて次の章で説明したいと思います。
優先順位付けの3つのコツ
マトリクスで考える「緊急度×重要度」
まず、マトリクスを常に思い浮かべるようにしてください。以下に表を作りましたので見ていただければと思います。
ようするに案件を優先順位付けする際にこの表に当てはめればいいだけです。本番は机の上がきれいだと思いますので、机の上を4分割して並べてみてください。そうすると分けやすくなります。
ただ、私の試験対策では、「3つの山に分ける」ということをお薦めしました。
私は最初はこの表に沿って4分割していたのですが、そうするデメリットも実はあります。要するに「緊急度が高く重要度が低い」ものと、「緊急度が低く重要度が高いもの」が2つ山ができてしまって、最後に合体させるときにどちらを優先していいかわからなくなるというデメリットがあります。
色々悩んだ結果、私は最終的に3つの「緊急度も重要度も高いグループ」、「重要度が高いグループ」、「それ以外(どちらも高くない、もしくは緊急度は高いけど重要じゃなグループ」という山にわけることでスムーズに試験に取り組めるようになりました。
以上のように、4分割するか、3つの山にわけるかはやりやすさは人それぞれですので、色々試してみてください。
悩んだら重要度を優先
2つ目のヒントとしては、やはり緊急度よりも重要度が高いということをこのインバスケットも公式に定義している点を思い出すことです。
常に迷うのは緊急度が高いものを誰かに任せたり、ほっておいても大丈夫なものをほっておけるようなマネージャーとしての資質を問われている案件です。
時間がない中でどれを重要じゃないか?という判断をして緊急度が高くても優先度を下げられるか、また、それを下げる理由はなんなのかはっきりさせることが、点数の分かれ道とも言えます。
緊急度が高いものに重要性が高いものがないか再確認
前述のとおり、判断に迷ったら重要度が高いものを優先すべきです。緊急度が高いけど重要そうじゃないものは一旦考えてみましょう。
それは上司からの指示ではありませんんか?何か全社に波及しそうな内容ではないですか?そういった点を振り返ることで優先順位付けに迷いがなくなってくるはずです。
緊急度が高くて一見重要そうに見えない案件も、その案件が誰から来たものなのか、部下なのか上司なのかといったことを特に確認をした方が良いと思います。
他には単なる会合やつまらなそうな勉強会や、一見事業に関係なさそうな来訪者の対応も優先順位付けを下げたくなる案件としてよくでてきます。
そんな時にはそのつまらなそうな案件に何か重要性が隠れていないか考えてみることが重要です。
一方で重要度も高く緊急度も高い案件の「補足的な案件」もあり、これは「優先度を上げる必要はありません」。セットで優先順位付けを上げたくなりますが、案件それぞれ個別に優先順位付けをするわけですのであくまで補足的な情報は優先度を上げる必要はないといえます。
例えばですが、「優先度高く緊急度も高い案件に関連する情報が入っている月報」が良い例です。内容賭しては重要ですが、月報としては単にお礼を言えば済むくらいのものは優先度を上げずに、関連情報である点だけを押さえれば済みます。
次の第三回目では最終回。「コツ」についてです!
いかがだったでしょうか。初回にお伝えした内容に続いて、第二回としてインバスケットのコツについて書いてみました。
どういった姿を求められているか、一歩引いて大人になってあくまで試験で求められている正解をイメージして回答をしていくことを意識すると良い点が取れると思います。
第三回目は最終回です。
自分で10問ほどのインバスケット問題を各5回以上解いたことや、本番の試験を受けて改めて感じたコツ、経験的に得たポイントについて追加で20点ほど挙げたいと思っています。
以下のリンクから読み進めてください。
ぜひたくさん練習してコツをつかんでください。「こんな試験、現実とかけ離れている、インバスケットなんか実践で使えない」と私も思ったりしますが、捉え方次第で実践で応用できるエッセンスはかなり入っています。
また、このインバスケットが求めるリーダー像というのは常に正解であるわけではありません。ある一つの理想形を描いた試験となりますが、ここで求められているリーダー像以外のリーダーの姿というのものたくさんあります。
それではまた次回、お会いできれば幸いです。
Keiky.
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