禅語に触れる

何もない毎日に感謝する [安閑無事] 禅の言葉

毎日ってなにも意識しないとあっという間に過ぎてしまいますよね。

同じような変化のない日々をおくっていると何たが焦りのようなものが出てきてしまって今の生活が嫌になってしまいます。

今日はそんなときに焦る必要はないということを教えてくれる禅の言葉をご紹介します。

Contents

■ なんとなく過ぎていく毎日

毎日子供の送り迎えや家事や料理。毎日朝電車に揺られて会社にいってたいして楽しくもない仕事をして、好きでもない人間関係の中で表面を取り繕ったり。家に帰っても食べて風呂入って寝てという繰り返し。

思い立って何か今の生活にプラスして趣味や運動を取り入れたり学習をしようと思って取り組んでもなかなか何週間、何ヶ月と経ってくると続かなかったり。

結局疲れていてやる気がしないので手軽なYouTubeやテレビの視聴など安易な暇つぶしに流れてしまったり、代わり映えのしない職場の同僚と飲みにいってただの愚痴を言うだけの時間を過ごして飲み過ぎて次の日に体調が悪くなったり。

■ 周りの人が充実しているように見える

この間キャンプに行ったとか、旅行に行ったとか、子供のイベントに参加したとかそういった話を聞くことがあります。

また、目立たない人が自分の趣味に時間を使っていたり、コツコツ勉強をしている姿を目の当たりにして影の努力や会社以外の一面を持っていることがわかるときは時々訪れます。

そうすると心理状況としてはどうしても、その人と今の自分を比べてしまいます。

たまたまその人が一回行っただけのキャンプであっても、なんだか聞いているこちらとしては毎週のように週末をエンジョイしている人のように思ってしまうのです。

勝手に相手を美化し、なにも変わらない毎日を送っている自分と比較して勝手に落ち込んでしまう。

そんな思考回路に陥ってしまって何の代わり映えもしない毎日が心からイヤになってしまうけど何か新しいことをやろうとしても動かない自分にさらに腹が立ってしまうという悪いサイクルに陥ってなかなか抜け出せなくなってしまいます。

■ YOLOはわかっちゃいるけど

海外で使われているYOLOという言葉をごぞんじでしょうか?

YOLO は、ネット上でよく使われる “You Only Live Once.” を略した単語で、意味は人生は一度きりだからやれることはやって人生を楽しもうという言葉です。

略語の方は歌手が使って若者の間で一時かとても流行って、今ではあまり若者の間では使われなくなってきていますが、略語にするまえのYou Only Live Onceという言葉が色あせることはありません。

ところが我々は頭ではわかっていてもなかなか行動できないものです。

今行動してチャレンジして一度きりの人生もっとアクティブにしなきゃということが分かっていても変わらない現実から自分が嫌いになってしまいます。

なんで世の中にはキラキラしている人がいるのに自分はこんなんだろう。

そう思う必要は本当にあるのでしょうか。

■ 安閑無事(あんかんぶじ)

禅の言葉には安閑無事
(あんかんぶじ)という言葉があります。

平凡で何もない日々がつまらない毎日にこそ価値があるという言葉です。

安らかで平穏な状態。なんの心配もなく静かに暮らせること。この言葉はそういった日常は本当に貴重で、なにか大きな変化を求める必要はないということを教えてくれます。


どうしても特別な日ばかりを望んでしまいますが、そんな日々を毎日平凡でつまらないと考えるのではなく、それを幸せに感じることの大切さを感じて毎日生きる。そんな心が大切です。

戦争がない、家族がいる、家族がいなくても食べられる、空気がある、生きていける、字が読める。話し相手がいる、話し相手がいなくてもネットや本がある。たくさんの幸せに我々は実は囲まれているのです。

よく深くいまあるものを当然と思ってさらにもっともっとと望んでいく必要はなく、足るを知るという心が大切です。

■ ちょっとした変化の連続ならできる

それでも変化させていきたい、今の状況を変えたいと思うことがあります、

そんなときは大きな変化は起こさないかもしれませんが、小さな変化であれば簡単に起こせます。

いつもと違う道で帰る、入ったことないお店に入ってみる、いつも行かない本屋さんのジャンルを覗いてみる、思い切って誰かを食事に通ってみる、知らない駅で降りてみる、

こんなちょっとした変化ですらめんどくさい場合でもよく周りを観察すれば変化がないようでも毎日変化は起きていることに気づけます。

子供のちょっとした変化、伴侶の表情や体のパーツをじっと見てみる。いつも家にあるものをじっと見て物質感を感じてみる。窓を開けて風に集中してみる。

1秒として過去と同じ日はありません。おんなじ日々のように見えても実は細胞レベルでは大きく自分も、自分の周りも変わってます。そういったことに意識をむけるだけでも変化を感じるのとができます。

大きな変化を求めるてしまいがちですがそんなことは滅多に起きません。今大胆に動けるのであればいいですが、そうでなければ日々の小さな変化の積み重ねに意識を向けたほうが幸せになれます。

周りを見てみてください。視点を変えてみるだけで世界は全く違って見えます。

大きな変化は必要ありません。安閑無事
(あんかんぶじ)という言葉を思い出して今の幸せを感じることから始めてみましょう。

keiky.