禅語に触れる

流されない人になる [水急不流月] 日常で使える禅の言葉

流されやすい人。

どんな人を思い浮かべますか?

あまりポジティブなイメージってありませんよね。

流されにくい人。

こちらはブレない自分があるというポジティブなイメージもありますが、一方で頑固で偏屈なイメージ、ノリが悪いイメージもあるかもしれません。

あなたな流されやすい人でしょうか?それとも流されにくい人でしょうか。

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自分の気持ちを大切にする。周りに合わせすぎない

結局のところ流されやすいかどうかはシチュエーションによったり、影響を受ける相手との関係性、その場の雰囲気など様々なものに影響されます。

「自分がない=流されやすい人」と感じてコンプレックスに思っている人もいるかもしれませんが、自分がない人なんてこの世にいません。感情もあるわけですし、好き嫌いもあっても当然です。

問題はそれを表に出せているかどうかということにあります。

自分を殺して周りにあわせる。

周りに合わせて笑ったフリをする。好きでもない話題に合わせて自分も興味があるようにふるまう。

自分を偽っているうちにだんだんと自分の本当の気持ちがわからなくなってくる。それで毎日何となく過ごしてしまう。

こんなスパイラルに陥ってしまったら黄色信号です。

一度立ち止まって考える必要がある時期に来ているといえます。

自分を出さないで回りに合わせるということが悪いことではありません。学校生活だったり、会社での生きるための選択肢、もめ事に巻き込まれないようにするための方法かもしれません。

周りを一切気にしないことは普通はできません。自分丸出しで自由にいられるのは一部の変わった人ができることかもしれません。

最低限周りに合わせるにしても、時々立ち止まって自分の気持ちを確かめるようにしてください。

時々「自分はどうしたいのか」「自分はそれが好きなのか嫌いなのか」自分に聞いてみてください。

今いる環境、仲間はあなたにとってプラスでしょうか。本当に自分がいるべき場所に感じるでしょうか。

世界は広いです。好き嫌いをもっと出していいはずです。きっとあなたが好きなことを好きな人たちはいるはずです。人付き合いも無理にする必要はありません。私も懇意にしている友達というのは特にいません。いろいろな知人はいますがもともと人付き合いがそこまで得意ではないので自分にあった浅い交友関係で十分だと思っています。

本当の自分というのがあるのかはわかりませんし答えはありません。一方で、いろいろなことに対して好き・嫌いという気持ちはあります。それはああなたが心から感じている感情ですので大切にしてください。

水急不流月

禅の言葉に水急不流月という言葉があります。

水急不流月

【意味】

周りがいかに変わっても、あなたという人間は自分をもっているかぎり変わらない。自分は流されない。

【読み方】※諸説あります

・すいきゅうにしてつきをながさず

・みずきゅうにしてつきをながさず

・みずせわしくしてつきをながさず

直訳すると、水の流れがいかに急でも水面にうつる月の影は流れないという意味になります。 川にうつった月はずっと川にうつったままです。

「自分=月」と考えると、自分を取り巻く環境がどんなに激変しても自分の信念さえしっかりしていれば環境に流されることはないということを教えてくれる禅の言葉です。

環境に順応しながらも流されない自分をもちましょう

普段は流されない人でも、ついつい周りが気になったり、主流派から外れないように周りに合わせてしまうことがあると思います。

また、自分を取り巻く環境もドンドン変わっています。

  • テクノロジーの進化でこれまでの働き方が変わってきている。
  • 結婚、出産、離婚、死別など様々な人生のイベントに巻き込まれていく。
  • 就職、転職、部署異動、転勤などで全然知らない組織に入る。
  • 進学、転校などで学校生活が変わる。

このように私たちは自分たちが選ばなくてもドンドンいろいろな変化にまきこまれながら生きています。

そういった状況でもブレない自分をもっていられるか?というのはとても大切な視点です。

環境に順応することはとても大切です。

ですが自分をしっかり持ったうえで環境に順応するという視点は忘れないようにしてください。

人と比べる必要もありません。

自分の立ち位置、自分のポジションなどを確認するためにも誰かと比べてしまうかもしれませんが、人と比べて良いことなんて一つもありません。自分の方が優位だと優越感に浸れるかもしれませんがそれで気持ちよくなっている自分を思う浮かべてください。優劣をつける、自分が上だと思っているのも実につまらないと思いませんか。

どんなにまわりが変わろうとも月のようになりましょう。

そうなるためには自分の好き・嫌いの感情を大切にすること、我慢や苦労をしてまで合わせるべき人間関係や環境はないということを覚えておきましょう。

もっとあなたに適した場所があるはずです。

Keiky.