保険

家族・自分が自転車事故を起こしてしまったら [個人賠償責任保険]その2

自転車は都心での子育て世代にとって非常に重宝しますが、事故を起こしてしまうことはないとは言い切れません。

ママチャリで歩行者に怪我を負わせた。

自転車同士でぶつかって相手が高齢の方で自分が悪い。

子供が自転車で人にぶつかったり店舗にぶつかってモノを壊した。

こんなことが起きたときにカバーできる保険が個人賠償責任保険です。

前回の記事で家族が自転車で事故を起こして個人賠償責任保険を使うことになったという話のイントロとして、「そもそも自転車保険って必要なのか?」「個人賠償責任保険はどういったものなのか」といったことを簡単に説明しました。

また、もし相手が金銭請求をしてきたとしても「損失が確定するまで払わない」ということを原則として、示談の仕方などについても簡単に触れました。

今回は実際に自転車で事故を起こしてしまった場合について少し考えていきたいと思います。

Contents

自転車事故での示談金の相場

相手が意識不明だったり、死亡してしまう、後遺症があるといった重度の障害の場合はレアだと思いますが、よくありそうな「軽症」の場合はどうでしょうか。

「軽症」とは

・全治一か月未満だったり、入院の必要がないけが
・例えば捻挫やむち打ち、擦り傷など

と考えて良いと思います。

では上記のような軽症の場合、「損害賠償しろ」と言われたらいくらくらいが相場なのでしょうか。

細かい話になりますが、損害賠償の計算の算定基準というのは色々あって、「弁護士基準」「任意保険基準」「自賠責保険基準」の3つがあります。なので、深く知りたい方は検索して一度調べてみてください。

では実際どういった額を賠償することになるでしょうか?

賠償する可能性があるもの
  • 治療費:必要な範囲の全額が対象(特別室や過剰な診療は払う必要なし)
  • 看護費:介護士、看護しの看護:実費
  • 近親者の看護:一日数千円。
  • 入院雑費:一日1500円程度。
  • 交通費:病院に行く交通費は全額。
  • 器具などは購入費や処置費の全額。
  • 子供の保育費:実費相当額(入院などでかかった場合)
  • 相手の弁護士費用:訴訟になった場合全額の1割程度
  • 休業損害:相手が仕事を休んだ場合、休業で喪失した収入額相当
  • 入院・通院慰謝料:精神的苦痛(1か月通院した場合19万円、3か月で50万位)

ざっくりと上記のような項目を請求される可能性があります。

では総額でどれくらいなのか。一例は以下の通りになります。必ずしもこれがすべてではないですし、もっと少なく済むこともたくさんあるのであまり怖がる必要もありますが、以下のような請求をされる可能性があることは考えておいた方がよいと思います。

[例えば軽い打撲で2週間通院した場合]
10-15万円くらい(治療費5万円、慰謝料9万、交通費)

[むちうちなどもう少し重症な場合]
40-50万くらい(治療費15万、慰謝料19万、休業損害8万、交通費)

かなりアバウトな内容ですが、一例として上記のようなこともあり得ます。

自転車事故の解決までの流れ

自分が加害者になってしまった場合の初期的な流れについて次のパートで書きますが、まずは全体像を把握しましょう。

どういった流れで解決に向かうかということをまずは抑えたうえで、実際に加害者になったらやるべきステップを踏んでいくことを考える流れが良いと思います。

事故発生

安全確保したのうちに、警察を呼びましょう。被害者と加害者の証言をとって、後日事故証明書を発行してくれるための情報をとってくれます。

保険会社への連絡

自分の加入している保険会社に連絡しましょう。どういう事故だったかということを説明し、保険会社の方に指示に従ってください。

入院・治療

被害者は治療に当たります。被害者側はかかった治療費、交通費、休業損害を積み上げていきます。この間加害者が側がやりことはありません。

症状固定

「完治、もしくはこれ以上治療しても改善しない」という状態を症状固定といいます。症状が固定するまでの間は加害者の保険会社から治療費が支払われます。完治すれば終わりとなります。後遺症がある場合は慰謝料や逸失利益という形で損害賠償を加害者にしてくることになります。

示談・裁判

「被害者が治療を完了したこと」を加害者の保険会社に連絡してきたて、保険会社に領収書をおくると、保険会社から加害者に示談書が送られてきます。それにサインすれば完了となります。保険会社に入っている場合は保険会社に示談で解決してもらいます。もしもめて示談できない場合は裁判になる可能性もあります。裁判になるとお互い高額な費用がかかるので実際は示談で解決することがほとんどです。

もし保険に入っていなければ、治療費の請求が被害者からあると思いますがそこから交渉が始まるかもしれません。被害者が治療を終えて後遺障害認定を受けたあとに示談交渉を自分で行うことになります。

もし加害者になってしまったらやること

私の場合、家族が自転車事故を起こしてしまったわけですが相手の方も病院にいって異常なしということでかなり幸い軽度で済んだもので良かったですが、上記のようなケースは怖いですよね。

もし加害者になってしまったらどういった行動をすべきでしょうか。

まずやること:安全確認

自分が負傷して動けない場合は自分の安全も大切ですが、自分が無事である場合、まずは相手の負傷の確認が大切です。危険な場所にいる場合はとにかく安全な場所に移動することが大切です。相手が重症である場合は救急車を呼ぶなど、とにかく人命のためにやるべきことをやりましょう。自分だけでなく、子供も自転車に乗せていて自分の方にも負傷者がいる場合は同じです。

次にやること:警察への報告

お互いぶつかって軽症で済んでいる場合は警察を呼ぶか、一緒に交番にいきましょう。

その場はお互い帰って当日に警察に届け出をしないケースもたくさんあると思います。「何かあったら連絡ください」ということで連絡先を渡してお互いその場をあとにするこはあると思いますがなるべく避けた方が良いと思います。相手の電話番号がウソかもしれませんし、連絡がつかなくなることもあります。できる限り警察を呼んで「事故」として登録してもらいましょう。

その場で証明書をもらうことはできませんが、「事故証明書」を後日発行することができるようになります。これは被害者サイド、加害者サイドで保険の申請で必要になることがありますのでそれを登録できる警察には警備な事故である場合でも怖がらずに呼んでみてもらった方が良いです。

また、相手のかたが怒り狂ってる場合もあるので、そういう意味で自分独りで解決しようとせず、お巡りさんを呼びましょう。冷静に処理してくれます。

また、その場でお金を請求されて払ってしまうと「言った言わない」「払った、払ってない」ともめ事に発展する可能性もあるので、安易に相手のプレッシャーに応じて、その場で早く終わらせたいばかりに自分で焦って処理しないようにしましょう。

ちなみに道路交通法で「最寄りの警察に報告すること」は義務付けられています。

次にやること:事故証明書の発行

これは交通事故が発生したことを証明するための書類です。事故の内容がかかれています。この記録があれば、交通事故が発生した事実や、どのような当事者や状況のもとで交通事故が発生したかということを小笑みするのでとても重要です。自転車保険や個人賠償責任保険で保険適用を受けるために必要になることがあるのでその場合は入手しましょう。

次にやること:保険会社への連絡

個人賠償責任保険や自転車保険に加入している場合は事故があったことを報告しましょう。電話をすることになると思いますので、自分の奥さんや子供が事故を起こした場合は本人も同席させ、あったことや事実について説明してもらいましょう。

どういった対応をすべきかそこで指示をされますのでそれに従ってください。

もし保険に入っていない場合は相手から、もしくは相手の加入している保険会社から連絡があります。損害賠償請求の連絡などもあると思いますので冷静に対応しましょう。自分で示談という形で相手と話し合って解決する場合は、最後に合意した内容を示談書としてお互い押印する形で残しましょう。

示談書といっても難しいことはなく、google検索でひな形を検索すれば出てくると思いますので、相手とはなしあって合意した内容で締結すれば済むだけです。

自分では難しいということであれば、弁護士に相談しましょう。今は町の弁護士でもいいですし、弁護士.comなどで相談してみるのも手です。独りで抱えないことです。

今回は簡単に、もし加害者になってしまった場合にどういったことを考えなければいけないか、どういった行動をとらないといけないかについてまとめてみました。

保険に入っていなかった場合は自分で解決するか弁護士に相談ということになるかもしれませんのでやはり入っていた方が良いと個人的には感じています。

保険料が見合わない場合は考えてしまいますが、前回の記事で書いたように月々数百円で安心が買えるとしたら入っておいて損はないと思います。