子育て

おいしいところだけもっていく旦那に要注意[クリームスキミング戦略×私生活]

旅行にせよ、片付けにせよ、料理にせよ、子供との遊びにせよ。

とにかく裏方の準備作業などを一切せずにおいしいところだけ持っていく夫や妻。そう感じる人も多いのではないでしょうか。

「なんで自分だけ」

「人の苦労も知らずに・・・」

相方さんに対してそう思っている人も多いかもしれません。

「早く出かけるぞ~準備遅いぞー」と号令をかける旦那。

こっちは子供の服やらでかける準備をしているのにあたかも自分の化粧や着替えが遅いと言わんばかりの旦那の号令。むかつきますよね。

このような出来事は日常的にあるわけですが、これは経営戦略的にいえば旦那さんの「ある戦略」が功を奏しているからかもしれません。

今日はそんな経営戦略で使う「クリームスキミング戦略」についてです。

Contents

クリームスキミング戦略?

スキミングと聞くと、クレジットカードをスキミングされたとかそういったイメージを浮かべるかもしれません。

スキミングとは上澄みを救うという意味で、クリームスキミングというのは牛乳から一番おいしい練乳の層をとることが語源となっています。

クリームスキミング戦略とは

ようするにおいしいところだけいただきます!という戦略。

どういったシチュエーションで有効か?

ビジネスの世界では、クリームスキミング戦略は「高い需要密度が見込める市場だけを狙ってビジネスを仕掛けるようなビジネスモデル」とされています。

ちょっと難しいですよね。

いいかえると、全部に全力投入するには体力がいります。企業もお金や働いている労働力に限界があるので、すべての商品に同じだけフルパワーで力を書けることはできません。

ある部分に特化して商売をすることで、業務効率を一気に上げて価格を下げることでその特定のおいしい市場向けだけで勝っていくというスタイルです。

代表例はLCC

代表例がLCCです。

大手のJALやANAが多少の路線の選別はしているものの、全方位の路線に対してビジネスをしているのに対して、LCCの企業は「一部の儲かる路線に対して安値攻勢をかけて」その路線だけで高いシェアをとるような戦略をとっています。

なんでこの戦略が有効なんでしょう。

それにはちゃんと理由があって、多くの「総合メーカー」といわれる企業は8割のビジネスはほとんど儲からず、会社の利益は2割のお客さんで儲けているといわれているからです。

このクリームスキミング戦法はこの2割の部分だけしか商売しないということを徹底することで成り立っています。

市場を細かいセグメントにして資源を集中するというやり方から、ランチェスター戦略の「弱者の戦略」としても説明できる部分が多い戦略といえます。

全方位で戦っている競合からはとっても嫌な戦略ということになります。

自社の収益を頼っていた部分だけを狙い撃ちにされるのです。

そのもうかっていた部分で総合企業は値下げをして追随しなければいけなくなり、それ以外の8割のビジネスはさらに値上げをしてコストを賄うことでさらに会社としての採算が悪化するというジレンマに陥らされてしまう危険性が高くなってしまいます。

ただ、コロナウィルスの影響によって需要が激減したときにもろに打撃を受けるのがLCCでもあります。ある程度、色々な路線をとばしていれば多少の需要はとれますが、ある部分に特化しているとそれがなくなると会社が一気に立ち行かなくなるということです。

クリームスキミング戦略の弱点、大手の対抗策

クリームスキミング戦略にも上記の通り弱点はあります。

代表的な弱点は以下の3点です。

弱点

①全方位大手による値下げでの対抗。

②複合的なサービス展開

③極度の値下げやフリーミアム戦略をやられる

特価していることによって、他社が複合的なサービスで展開してきた場合、LCCのようなクリームスキミング戦略をとっている会社は対抗ができません。

例えば大手がLCCが路線を飛ばしていない路線とセット販売してきたら。抵抗が難しくなります。

他にも例えば極度の値下げを大手がしてきて大手は総合的に利益を何とか維持できたとしても、逆にLCCが飛ばしている路線を狙い撃ちで値下げをしてきたらLCCにとっては死活問題になります。

このように万能な戦略はなく、必ず対抗策があります。

では家庭ではどうでしょうか?

家庭におけるクリームスキミング戦略

一番おいしいところをもっていくのがクリームスキミング戦略だったと思いますが家庭ではどうでしょうか。

  • 料理の下準備だけ自分がやらされて焼くところだけ旦那がやって、あたかも自分がすべてやったような態度をとられる。
  • お出かけの準備を自分の方がやっているのに、準備が遅いと急かされる。
  • 自分が乗り物に乗ったり、開園の準備のために先に並んでいたのにありがとうも言われずにあとからゆっくりきた家族にイラっとする。

こんなことはあるでしょうが、クリームスキミング戦略の弱点をつくのが家庭でクリームスキミング戦略をやられた時の対抗策です。

クリームスキミング戦略の弱点は何だったでしょうか。もう一度ふりかえってみましょう。

弱点

①全方位大手による値下げでの対抗。

②複合的なサービス展開

③極度の値下げやフリーミアム戦略をやられる

これを私生活に当てはめてみるとどんな対抗策がとれるでしょうか。

例えば他の料理を作って旦那や焼いた料理を「その中のただの1品にしてしまう」。そうすると総合力であなたの方が勝ちですし、旦那は伊庭麗奈君ってしまいます。

他にもたとえばそれぞれ出かける準備は自分でやるように「やることリスト」を渡しておいて、自分の準備だけ先に済ませてしまう。みんあの仕事を振ってしまうことで家族全員で総合的に準備しないと外出できないようにしてしますなど。

こんな感じでクリームスキミング戦略に対抗ができるわけです。

逆に自分がクリームスキミング戦略を使うという手もありますが、あまりやりすぎると「おいしいところばっかりもっていくな!」とイラっとされたり怒られますので、家庭で使うのはほどほどにした方がよさそうですね・・・。

下準備や、お出かけの準備、順番に代理で並んでもらったり運転してもらうなど一見するとスポットが当たらないことしてくれた相手に「ありがとう」と伝えることが重要だということも教えてくれる戦略ですね。