いわゆるひと昔前のリーダーと聞くとどんな姿を思い浮かべるでしょうか。
- 社交的、対人関係が得意
- グイグイ引っ張ってくれる
- 顔が広い
- 体育会系
- 明るい
- 指示ができる
こんな感じだと思います。
一方で私はどんなタイプか。
- あまり社交的でない
- 初対面など対人関係が得意ではない
- 内省を好み考えるのが好き
- 繊細
- 文科系
- 暗くはないが明るくもない
- 指示するより自発性に働きかける
- さらに酒も弱く運転もできない(性格に関係ないですが付け加え)
私はいわゆるステレオタイプのリーダーではありませんね。どちらかというと内向的と言われる人の多くが持つ特性をもっています。ひと昔前であれば絶対にリーダーになることはできなかったと思いますが、今は経営企画部でリーダーをやっています。
自分でいうのも変ですが、他人が苦手としていて、自分が好きな部分を伸ばすなど、自分の苦手分野は捨てて得意分野を磨くことを鍛えた成果でもありますがそれだけではありません。
リーダーシップの形が今の時代は様々あって、必ずしも昔ながらのリーダー像を追わなくてもリーダーになれる世の中になっています。
誰もがそんなリーダーを目指してもいいのではないか?とおもって今回はサーバントリーダーシップというリーダーシップの取り方について少し書きたいと思います。
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サーバントリーダーシップとは
ひとことで定義すると、「メンバーへの奉仕・支援を通じて組織を動かすこと」です。
グイグイひっぱるというのとは異なり、メンバー、つまり部下や上司への奉仕、支援をつうじて組織を動かようなリーダーシップの取り方があるということです。
いわゆる伝統的なリーダーシップとの違いについては専門書などを読んでいただければと思いますが、ざっくり書くと以下のような違いがあります。
伝統的なリーダーシップ | サーバントリーダーシップ |
メンバーへの説明、指示 権限に基づいた影響力 自分のスキルベースで指示 | メンバーの話への傾聴 信頼に基づいた影響力 メンバーの成長の支援 |
一つ注意していただきたのは、どちらがいいということではないということと、時と場合によって使い分けることも重要だということです。
ですので私もケースバイケースで伝統的なリーダーシップをとらざるを得ないときもあって、その場合は非常に自分にストレスがたまるので意識してやるようにしてます。伝統的なリーダーシップをとったあとにすごく疲れますが、その場合は良く休むとか、リフレッシュすることで疲労から自分を癒すようにしています。
私の場合は基本はサーバントリーダーシップをとりながら、どうしても使わないといけないときだけ伝統的なリーダーシップをやっているといった感じです。
サーバントリーダーシップに向いてる特性
サーバントリーダーシップをとることが向いている人、そうではない人は当然います。
冒頭の伝統的なリーダーシップを難なくとれるひとは逆にいえばサーバントリーダーシップ型が向いていないとも言えます。
ではどんな特性があるのでしょうか。
1)他者との接し方
皆さんの執事役になることが自然と多い特性があります。自然とできるというのがポイントで自然と気づいたり、今必要とされていることがわかったり細かいことにも気づいたり、相手の感情も察して対応することもできます。場の空気や相手の表情も敏感に読み取ることもできるようなタイプがサーバントリーダーシップの特性を持っているとも言えます。
また、人の成長に関与することに喜びを感じたり気の合うコミュニティにいることを好みます。部下であれ自分の子供であれ、自然番組に出てくる動物の親子であれ、成長ということ深く興味があったり感動するタイプが多い傾向があるとも言えます。人の成長に自分が関与することでその人が成長できる姿をみるとうれしくなる傾向があります。
また、多くのメンバーと広く話したり、懇親会などが苦手である一方、少数の気の合う仲間や同僚との深い議論や話し合いを好む傾向があります。広く浅く付き合ったり、面白い冗談をいって場を盛り上げるようなタイプではなく気の合う人と深い会話をすることを好みます。
2)基本にある考え方
傾聴、共感、納得。この3つが基本にある考え方です。
まず人の話を聞ける特性がある。自分の話をするのではなく相手の話をちゃんと最後まで聞ける、話している内容を読み取ろうとする、相手の感情も含めて理解しようとする傾聴力が備わっています。相手も自然とその人の前では本音になってしまう、つい話してしまうようなタイプが傾聴力が高い人といえます。
次に共感です。相手の感情に寄り添うことができます。感受性が高いので相手の悪い感情にも振り回されるのでとても疲れやすいという特性も持ち合わせている場合があります。一方で、相手に共感できるということは気持ちに寄り添うということで深い関係を相手と築くことができます。ロジック一辺倒ではなく、相手の感情までを察した上で次の手を打つことができますし、鈍感な人が気付かない点も察知して交渉に生かすといった特性も共感力の一種と言えると思います。
最後に納得性です。自分自身が納得することをとても大切にします。「いいからやれ」「上がいっているから」という言い方はそもそもこのタイプは自分自身も受け付けないので、人に対してもそういったことを言おうとはしません。納得した上で仕事をすることを重視しており、納得できないことが起きたとしてもそれが納得できるまで考え抜こうとするタイプです。俊敏性は劣るかもしれませんが、粘り強さなど苦境の中でも腹落ちしているので耐えて仕事をすることができる多いのもこのタイプです。
3) 高い目線をもつことができる
決して伝統的なリーダーシップをとれる人がこれをできないといういうわけではありませんが、サーバントリーダーシップ型の人も高い視座を持つことができます。
私がお付き合いしてきたさまざまなリーダーの中でもサーバントリーダーシップ型の人はモノゴトに気付く力、先を見通す力、複雑なことを概念化する力も備わっている場合が多い気がします。
信頼に基づいたマネジメントをして、人の話を傾聴し、人々を支援することで組織を動かしていくには、様々なことに気付いて行動をとれる人である必要があります。
リーダーシップは誰でも持てる特性。だけどやらなければならない1つのこと
自分は内向的だからリーダーにはなれない。自分にはリーダーシップがないといったことで悩んでいる人も多いはずです。
もういい年なのに対人関係が弱いから、自分は繊細だからリーダーになれない、課長になれない。同僚のあいつはすごい、バリバリできてとてもマネできない。自分も頑張ってきたのにどうしても性格的にできないこともある。
そんな思いを持っている人も少なくないはずです。時に自分を追い詰めてやんでしまったり、死にたいと思うこともあるかもしれません。
私自身が今でもそうです。向いているとは到底思えません。
それでもリーダーにはなれます。諦める必要はありません。周りの協力もありますが、できないことはできないと言って周りに助けてもらえばいいのです。
その代わりにやらなければならないことが一つだけあります。
それは「ビジョンを描いて語ること」
これだけです。
自分はこの会社をこういう会社にしたいとか、会社だと大げさだから、このチームをこういう風にしたい。でも自分は苦手なことやできないことがたくさんある。だけどみんなの良さを引き出していい仕事をして、みんなが良い時間を家族と過ごしてほしいという気持ちが強い。だから力を貸してほしい。自分も最大限みんなをサポートするから」
こんなことを素で言える力が必要です。
リーダーは自分がなりたいと思ってもなれるものではありません。
偉くはなれるかもしれませんが、リーダーであることと偉いことは必ずしもイコールではありません。
どの会社にもどの部署にも影のリーダーがいるはずです。その影のリーダーは別に偉くなろうとは思っていなくても、その部署の柱になっているはずです。そして偉くなっている人からは恐れられたり、煙たがられたりしてなかなか偉くはなれていないかもしれません。それでもその人がいないとその部署が悪化すると誰もが思っているような人。そんなリーダーもいるのです。
偉いかどうかは運もあります。相性や波に乗れたかどうかにもよります。時代によっても変わります。なのでみんなそれぞれのリーダーシップを目指せばよいと私は思っています。
どうか諦めずに、自分なりのリーダーシップのスタイルを考え続けてみてください。
今いる場所で花が咲くかはわかりませんが、諦めて縮こまる必要はないはずです。自分らしくいきましょう。
Keiky.