哲学

哲学ってなんだろう [哲学#1]

哲学と聞くと何やら難しいことを学ぶ学問のように思って毛嫌いする人も多いかもしれませんが、私たちはある意味では毎日の生活の中で「哲学している」部分があります。

そんな哲学について少しだけ基礎を知っておくと生きるのが楽になったり、生活のヒントになることもあります。

この特集は「基礎を知っとくシリーズ」の「哲学編」です。一度勉強したことがあっても普段毎日毎日を哲学のことを考えていては生活が成り立たないので一度学んだ人にとって改めて気になる記事だけ読んでいただけるように書いていこうと思っています。

タイトルの末尾に「哲学1」というように番号を振っていきますので順番に読みたい方はこの数字を目印に読んでいってください。

それでは、哲学の世界へ!行ってみましょう!

Contents

■ 哲学とは当たり前を疑うことから始まる

哲学とは一言で言ってしまうと、普段はあまり気にしたことがない「一見当たり前」のことを考えなおすことと説明することができます。

机に座って小難しいことを学ぶというよりは、「そもそも~って正しいのか?」ということを疑って考えて自分なりに答えを出していくことが哲学ということがいえます。

「私ってなんだろう」「生きるってなんだろう」「どうして人は関係をもつのだろう」「どうして空は青いのだろう」「どうして人を殺してはいけないのだろう」「どうして勉強するのだろう」「労働とは何だろう」などなど、意識しないと考えないことを改めて考えることが哲学だとしたら私たちは知らず知らずのうちに哲学をしていることが結構あるものです。

「そんなこと考えてもお金にもならないしめんどくさい」と思う人の方が多いかもしれませんが、常に前提を疑うということは人類の発展に大きく貢献してきていますし、私たちの日々の生活でもとても役立つ考え方です。

例えば会社で仕事をしていて「そもそもこのルール自体正しいのだろうか」と今までの前提を疑って考えてみたり、「今までなんで子供に人と同じにするように焦ってたのだろう」というようにとらわれていたことから思考を開放していくこと自体が哲学しているということも言えます。

このように、私たちは自分たちの頭で今まで当たり前と思ってきたことを考えて、自分なりの答えを導き出すことが哲学といえます。そういう意味では正確な回答はありませんし、人それぞれ答えが違っていていいのが哲学ということも言えます。

■ ずっと哲学していては生きづらい

歴史を振り返ってもそうですし今でもそうですが哲学者というのは常に前提を疑い「なぜ」とか「そもそも」ということを考えている人たちです。

そうやって生きていくのは本当に大変です。例えばですが、「なぜ人は食事をするのだろう」ということを考えだすと「食事とはなにか」「人以外はどうなのだろう」「食事をすることの意味はなんだろう」などなど考えだすと、おいしい食事も冷めてしまって全然おいしくなくなってしまいます。

映画を一緒に見に行って自分が「おもしろかった~」と感想を述べたとしても、哲学者であれば「面白いとはどういうことをいうのか」というところを考えるでしょうし、なんでもかんでもかんがえていてはつまらない、めんどくさいと思われても無理はありません。

このように四六時中ずっと哲学的に考えていると生きるのも嫌になってくると思う人が大半かもしれませんが、時々だったらいかがでしょうか。

冒頭の例のように前提を疑って考えてみると、「別のそんな考え方があるのか」とか、「実は勝手に思い込んでいたりとらわれていただけだったんだ」と思えることもあります。

このように前提を疑って考えることというのは新たな発見につながっているわけで、そういった意味で私たちも哲学者並みとは言いませんが、少し、普段の生活の中で哲学的な考え方に触れるだけでも結構面白い発見があるかもしれません。

■ 哲学は西洋で発展、東洋は思想として発展

哲学は古代ギリシャからはじまったとされています。名前くらいは聞いたことがあるアリストテレスやプラトン、ソクラテスなどの人たちも古代ギリシャの人たちです。

では日本を含むアジアに哲学が入ってきたかというとそんなことはなく、東洋では神や仏といった超越的な存在を信仰する考え方の方が先にあったため、哲学的な考え方は「思想」として発展したといわれています。

ルーツこそ違えど、西洋の哲学と東洋の思想は「前提を疑って考えて自分なりに答えをだしていく」という点では共通しており、それぞれのエリアでそれぞれ発展していったということが正しいかもしれません。

■ 哲学があったから人間は発展できた

もし当たり前のことを疑わなかったら実は私たちの生活も成り立っていないかもしれません。

聞いたことがあるかもしれませんが、昔は地球は平らだと考えられていましたし、地球ではなく空の方が回っていると考えられていいたように、前提を疑わなければ私たちの現在の姿は絶対にありえません。

「なぜ人を殺してはいけないか?」的な疑問などを突き詰めて考えると法律的な考えが発展し法律ができていきます。「なぜリンゴが地面に落ちるのか」というようなことは自然科学につながっていきます。「なぜ心臓は音がするのか」などは医学に発展していきますし今の我々の生活を支えているテクノロジーなどの人類の進化は「そもそもなんで?」ということを考え来たから出来上がっているといっても過言ではありません。

■ まとめ

今回は[哲学1]として哲学ってそもそも何なのか?ということについて簡単にまとめてみました。学生時代に哲学を勉強していたこともあり、その時のノートを引っ張り出してきてあらためてなつかしさを覚えるとともに、自分でも結構忘れてしまっているなということに気付かされています。

[まとめ]

  • 哲学とは当たり前のこと、前提を疑って自分なりに答えを見つけていくプロセスである。
  • 四六時中、哲学的に考えていると疲れしまうが、「前提を疑って考えること」は仕事や家庭でも役立つことが多く、何かにとらわれている自分を解放してくれる可能性を秘めている。
  • 哲学は西洋で始まっているが、日本を含めたアジアでも「思想」として同時に別の形式で発展を遂げている。
  • 哲学があったおかげで人類の発展に寄与した発見やテクノロジーが生まれ、私たちの今の生活が成り立っている。

それではここで[哲学1]は終わります!みなさまお疲れさまでした!

[哲学2]に続きます。

次回は哲学的に考えるうえで使える「3つの思考法」と、「哲学を理解するための簡単な歴史の流れ」について簡単に触れたいと思います。

Keiky.