哲学

1分で哲学の歴史と主要人物を振り返る [哲学#3]

初回は哲学ってそもそも何なのかということや人間の発展に大きく貢献してきたことについて、2回目は演繹法と帰納法という2つの哲学の考え方について簡単に解説しました。

今回は哲学の歴史についてかなりざっくりとどういった歴史をたどってきたかということを1分程度で読めるボリュームで解説してみたいと思います。

「そもそもの前提を疑ってみる」というのが哲学という学問でルーツはヨーロッパという話でした。日本とかアジアでは哲学がなかったということはなくて、アジアでは「思想」として発展してきたということは1回目の記事で触れたので良かったら読んでみてください!

それではさっそく哲学の歴史に触れてみたいと思いますが、4つのパートに分かれています。①古代ギリシャ、②中世、③近代、④現代というように4つの時代に分けて考えるのでそれぞれいったいいつ頃の話なのかだけ最初に簡単に解説しておきます。

よく何世紀という言葉出てきますがイメージがわきにくいので西暦を書いておきます。

【古代ギリシャ】

紀元前6世紀~3世紀。 紀元前600年 – 紀元前501年から 西暦201年から西暦300年の時代です。「紀元」というのは キリスト教でキリスト(救世主)と見なされるイエス・キリストが生まれたとされる年の翌年を指すので、今が2020年としたらちょうど0年ということになります。なので、紀元前600年というのは2020+600ということで2620年前ということになります。

【中世】

3~14世紀。 西暦201年 – 西暦300年 ごろから 1301年ー1400年ごろということになります。

【近代】

15~18世紀。 1401年 – 1500年 から 1701年 – 1800年ごろをだいたい近代と読んでます。

【現代】

19世紀~現代。 1801年 – 1900年から今ということになります。よく現代美術館とか、近現代という言葉出てきたときにいったいいつの話なのかわからなくなりますが、現代というのは1800年ごろから今までの流れを現代といっているので、私たちが思っているよりもずいぶん昔からのことを現代と読んでいるという感覚があるかもしれません。

とりあえずわかりにくい「何世紀」という言葉から西暦に置き換えただけでもわかりやすくなったかと思います。では、4つの時間軸に合わせてそれぞれどういった哲学があったのか簡単に見ていきましょう。

Contents

■ 古代ギリシャ哲学

哲学は古代ギリシャで始まったとされていますので、だいたい今から2600年前に生まれたといっていいと思います。哲学というのは「そもそも前提を疑って考えてみる」という行為自体をさしますので、そのように考え始めたのが古代ギリシャ人だったということが言えます。

ここで抑えておくべき人は3人です。ソクラテス、プラトン、アリストテレスという3人だけは必須の3人なので覚えておいて損はありません。一度は聞いたことがある名前かもしれませんが、彼らは古代ギリシャ時代の哲学者たちで古代ギリシャ時代以降の哲学や人類の発展は彼らなしではなかったといっても過言ではないのでとても偉大な人たちです。

ちなみにプラトンはソクラテスの弟子、アリストテレスはプラトンの学校の生徒という関係があります。それぞれどういったことを主張したのかについては次回以降具体的に見ていきたいと思います。

この古代ギリシャ時代の哲学としては「万物の根源」にまずフォーカスします。この世の中のすべてのことの源はなんなのか?について考えるところが哲学の起源ということになります。そして徐々に「人間って何なのか」ということに発展していくのがこの時代の哲学と言えます。

■ 中世哲学

次が中世哲学です。200年から1400年ごろのことなのでとても長い期間を中世と我々は読んでいますがこの時代は古代ギリシャ哲学を引きついでます。日本は飛鳥時代、奈良時代、平安時代、鎌倉時代くらいまでの時期です。

380年にローマ帝国の国の宗教として「キリスト教」が定められたことでキリスト教がすごいスピードで世界に普及している時代といえます。キリスト教を教えるカトリック教会が勢力的に布教活動をしていくところに哲学的な考え方が広まっていきます。

キリスト教の教えが広まるとともに、キリスト教の教えを哲学的に考えてみるということを通じで中世哲学は発展していったいってもいいかもしれません。「神とは何なのか?」ということで神にフォーカスされている時代です。

この時代の有名な哲学者としては、アウグスティヌスという人です。次に有名なのがスコラ哲学を作ったトマス・アクティナスという人がいますので、この2人だけをまずは抑えておけば中世哲学はだいたいおしまいです。

中世はキリスト教の教えが広まった時代ということと、この2人の哲学者がいたというのが中世の哲学です。

■ 近代哲学

続いて近代哲学です。だいたい1400年から1800年ごろのことです。日本は室町時代から江戸時代くらいのことです。

この時代はルネサンス、アメリカ大陸発見など人類が大きく発展してきた時代でもあります。

近代哲学の特徴は何と言っても「人」にフォーカスされているということです。中世哲学がキリスト教の教えとともに「神」にフォーカスされていたのがこの時代になると「人間ってなんなんだ」というように人について考えるようになったことが特徴です。

自分とは何か、他人との関わりとは、社会とは何か。そういった私たちについて考えることが増えたのが近代哲学と言われています。

この時代はデカルト、カント、ヘーゲルという3人だけ押さえておけば近代哲学の大枠は理解できると思います。私たちは学者になるわけではなく、生活に生かせる哲学を学ぶだけですので、とりあえずこの時代はこの3人だけ押さえてあとはもっと詳しく知りたい人だけ情報を肉付けしていけば良いと思います。

■ 現代哲学

最後に現代哲学です。だいたい1800年ごろから今のことを指します。日本は明治以降の時代です。

現代は今も続いていますがいつ私たちの時代が終わるかはわかりませんがいつかは終わります。

そんな現代は世界大戦が2回あったり、様々な紛争が絶えない一方で科学技術がめざましく発展して自動車や飛行機、電気、通信などあらゆるものがハイスピードで発展してきた時代です。

そんな時代では哲学ももはや、「神」とか「人」に対してフォーカスするだけではなく、いろいろな形で発展していく時代ですのでまとめて語ることが難しい時代となっています。

一つだけ覚えておくとしたらニーチェ。ニーチェはドイツ人の哲学者で、彼は「現代哲学の祖」とされていますのでニーチェから現代哲学は始まったということだけ覚えておいてください。かれの「神は死んだ」という言葉はあまりに有名ですのでまた個別に解説していきたいと思っています。

■ さいごに

いかがでしたでしょうか。かなりざっくり哲学の歴史について分類してみました。古代ギリシャの2600年前頃から始まり中世、近代から現代に続く人類の歴史の中で哲学が発展してきたことが分かったかと思います。

哲学はヨーロッパではじまったとされていますが、日本を含むアジアでも「思想」として同じく古代ギリシャの時代に哲学的な考え方は別のスタイルで発達してきているので私たち日本人の文明が遅れているわけではありません。

東洋の「思想」については禅などでまた基礎を説明していこうと思っているので気になる方はそちらのカテゴリーも合わせてお読みください。

以上が3回目になります。次回4回目は古代ギリシャ哲学について触れていきたいと思います!

※哲学の歴史の時代分類については諸説ありますのでご容赦ください。