美味しいものを食べると幸せを感じます。たいして高いものではない普通のご飯でも空腹感を感じたあとの食事というのはとても至福な気分になります。
特にわたしの場合はおいしいお魚、野菜、そしてお肉。そういった美味しいものを食べたときに感じる幸せは何ともいえないものがあります。特にお肉というのは毎日毎日食べているとさすがにあきますが、時々食べる牛肉などにはなんだか幸せな気分にさせてくれる力があります。
Contents
食糧が無くなる可能性もある
そんなお肉を食べられなくなる可能性を時々考えることがあります。世界的に今後20年の間に食糧不足に陥るということが言われている。背景には世界の人口は伸び続けているというのが主な理由ではありますが、諸説あって人口がある程度のところで伸びが止まるという研究もあるので何とも言えませんが、世界中で食料の確保に関する取り組みが行われているのも事実です。
日本や東アジア、そしてマレーシアやタイなど東南アジアいくつか国、そして中国は人口が頭打ちで高齢化社会に突入していますので感覚的にはわからない面もありますが、世界の人口は今でも伸び続けています。世界の成長エンジンは今は米国と中国ですが今後インドの台頭がさらに目覚ましいものになりますし、まだまだ若くて未発達の国がたくさんありますので、世界経済の成長エンジンが変わりながら成長していく姿が想像できます。
このように人口が伸びることで単純に世界で食料を食べる人口は当然増えます。また、食品の消費量が増える理由がもう一つあって、それは食べるものが変化していく中で経済成長とともに加工食品を多く摂取するようになることがいえます。さらには実は世界の食糧の3割が捨てられている現実があります。経済成長が進むほど人は加工された食料品を食べるようになり、3割の食糧を食べずに捨てているというサイクルに入っていきます。
実は飢餓に苦しむ8億人に必要な食料の2倍以上が毎年廃棄されているとも言われていて、これらの排気量は20億人が食べるのに十分な量と言われていているから驚きです。経済的には80兆円以上の経済損失が生まれていることになります。
最近リサイクルが話題に上がることが多いですが、服も実際に売れる量の倍の量をお店において、7-8割を捨てているそうです。倍の量を置かないと棚がスカスカになるから売れる量の倍作るというのはとても非効率です。また、新製品を作って需要を喚起していかないといけないので売れるまでお店に置いておくのではなく廃棄していくことで新たな商品を棚におけるようにしているというのが実態です。一部でリサイクル品を提供するようなサービスが生まれつつありますが、まだまだ微々たる量でしかありません。
経済成長で消費カロリーが増えていく
食料品に話を戻します。実は面白い研究が国連でされていますのでシェアしたいと思います。経済的な豊かさを示す指標である一人当たりのGDP(国内総生産)の額と一人当たりの摂取カロリーには相関関係があるということが分かっているそうです。
どういうことかというと、豊かになるほど摂取カロリーが増えるということが明確に表れているということです。例えばですが、ケニアは一日の消費カロリーが2000キロカロリー、所得は1000ドル。フランスやイギリスは3600キロカロリー5-6万ドル、アメリカは3800キロカロリーで7-8万ドルといったぐあいに所得と摂取カロリーは比例していることがわかると思います。
一方で例外的な国もある。例えばトルコ、ギリシャ、イタリアなどは所得に比べて摂取カロリーは高く、トルコは3500キロカロリーで所得は10,000ドルといった形で完全に食べ過ぎな状態にあるといえます。ふっくらした人が多いのもうなずけます。そのほかの食べ過ぎの国はブラジル、メキシコ、イスラエル、モロッコ、中国、ベトナムなどがあげられています。
逆にあまり食べていないのは日本、タイ、スウェーデンなど。イタリアと日本は所得では同じくらいだが、1000キロカロリーほどイタリア人の方が多く食べている。
このように経済が発達すると人間は食べ過ぎる傾向があるので、途上国が発達するほど人口が増えるのと同時に多く人々が食べ過ぎるようになっていくことが分かっています。
肉が不足する世界がくるかも?
私たちの大半はスーパーでお肉をパックで買っていると思いますが、お肉はとっても作るのにエネルギーが必要なものといえます。そんなお肉もGDPと比例していることが分かっています。
1965年から1998年までの間に人間は肉を一人当たり12kg多く食べるようになっています。これがさらに2030年までに9kgほど多くなるとWHOは発表していまして、人間が肉をとにかくたくさん食べるようになっていることに警鐘を鳴らしています。食べる必要のないカロリー、お肉を食べているということが分かっています。
日本は確かに魚文化と米文化で急速な西洋化が進んだことで肉を多く食べるようになったというのは想像がつきやすいですが、こういった肉の消費量が増えるというのは日本だけではなく、世界的にもこのトレンドが強くあるということがわかります。とある研究によると先進国は途上国の人の倍、肉を食べているらしいです。
もし本当にそうだとすると、肉は完全に不足する可能性がある。聞いたことがある方も多いと思いますが昆虫食というのが真剣に研究されています、高蛋白質で虫を主食とする未来がもしかしたらあるかもしれません。何となくオエーっていう感じになるかもしれませんが、そのままの姿で食べるわけではないので形が分からなくなっていたりおいしい味であれば大丈夫なような気もします。肉がないとしたら慣れないといけないですね・・・
肉を作るために必要な膨大な資源
肉が不足するのであれば家畜をもっと育てればいいじゃないかというのが一般的な意見かもしれません。確かにドンドン家畜を育てることができればお肉の供給量を増やすことができるので増産は必須になると思います。それでも足りないというのには理由があって、それは鳥や豚や牛が足りないのではなく、それを育てるための穀物や水が不足するという問題に発展するというのが実はもっと大きな問題としてあげられています。
例えば鶏肉は1kgを飼育するのに穀物は2-3kg必要、豚は4-5kg、牛は10-12kg必要とされています。
肉の種類によっては10倍の穀物が必要になるといわれているので、人間がお肉の消費をやめて穀物を食べる量を増やしていけば、間接的に家畜が穀物を消費する量が減り、そこまで穀物が必要ではなくなるということもいえます。そうして穀物の量も大幅に必要無くなれば水の量も減らせるということになります。
人間がだいたい平均して一年に100kgの肉を食べるとしたら、100kgのお肉を食べると同時に1トンの穀物を人間が食べていると同じことが言えますしそれに必要な水を飲んでいるということも言えます
このように肉を食べまくると、それだけ穀物が必要になり、その穀物を育てるためにさらに水が必要になるので、わたしたちがおいしく食べている肉というのはとても大きなエネルギーをかけて作られていることを考える必要がありそうです。
世界的な人口爆発が今後も続いた場合に肉は不足したり、とても高級なものになってしまう可能性もあるあのだ。いまのうちにたくさん肉を食べておくか肉嫌いになった方がよいかもしれないとも思ってしまうくらいです。
テクノロジーの発達で肉不足を補う
こういったことをまじめに考えていろいろな研究者やベンチャーがテクノロジーを使って問題を解決しようとしていますが、果たしてそういったテクノロジーで太刀打ちできるレベルの変化なのか気になるところです。
各国は食料を輸入する国と輸出する国に分かれていますが、もし世界的に食料が足りなくなった場合には圧倒的に有利なのは食料を輸出する国ということになります。こういった国はまずは自国民の生活は維持できるでしょうし、どういった国に資源を配分するかということを選ぶ権利を得られるので今とは違って強いポジションを国際政治で発揮する可能性を秘めています。
石油やそれ以外の様々な資源もない日本はますます劣勢に追い込まれてしまうことになります。
そんな我々がどういった手法で食料を確保するか。わたしとしてはアプローチは2つあると思っていまして、一つはロスをなくすというやり方、もう一つは食料を増やすというやり方があると思っていて、これらはいずれもかなりのスピードで今いろいろな国や企業が動いています。
捨てる水と資源の量
ロス低減系でいえば、そもそも三分の1を捨てているとしたらまずはそれを捨てないようにすることが先決といえます。スーパーで学生時代にバイトをしたことがあるが廃棄の量が毎日半端じゃありませんでした。何袋も食品を消費期限の何日も前に捨てる。とても心地良い作業ではありませんでしたが、食品がたくさん捨てられるという感覚を初めて抱いた貴重な経験でした。
ロスの低減には廃棄する量を減らす以外に、賞味期限を延ばす方法があります。たとえば酸素に触れないようにバリア性のある包装で食品の寿命を延ばすとか、そもそも安全をみて賞味期限を設定しすぎているのであれば倍に延ばせば倍使えることになります。ものは売れなくなるのでメーカーが嫌がって逆に賞味期限を短く設定しているのではないかという説を語る方もいるので何が正しいかわからないところがあります。
とにかく企業が乗り越えなければならないのは「売上をあげにくく」という問題でした。あえて賞味期限を短くすることで回転を上げてたくさんものを捨てることであらたな需要を生み出している面が少なからずあります。
これは食料品だけではなく先ほどのアパレルの例も該当します結果として当てはまります。
—— 〻 ——
食料を増やす方法も多くの企業が手段としてとっています。
一つは世界的に農地を買収する動きがあります。他の国の酪農地帯を買収しているグローバル企業が結構あって、いまから囲い込もうとしている動きがありぼくは結構脅威に感じることがあらうニュースが増えてきました。
もう一つはテクノロジー系は世界経済の主流として伸びている分野で、応援したい企業がいろいろ出てきている印象を受けています。
例えば過酷な環境でも育つ穀物の品種改良。少ない水で育つような農業の手法の確立。大豆ベースのベジミートや培養肉、昆虫食などの代用手段の研究。それ以外には農業を工場で行う方法や、魚の完全養殖などいろいろな方法で食料を確保しようと日々研究が行われています。
—— 〻 ——
わたしが食べているこの肉。
これからも食べられることを信じたいですが、肉が食べられなくなっても食がどういった変化を今後遂げていくか楽しみです。
肉はなくなってもいいですが、食べるものがなくなるのは困るし、できればおいしいものが代替品として考案されたら食べ続けたいものです、
食糧確保を理由とした戦争が起きるという未来予測もあるくらいなので、平和的な解決がいろいろな手段を使うことでできればと願うばかりです。
keiky.