心の持ち方・考え方

「自律をすること」について自立との違いを比較して考える重要性

ママ

時々「自立」と「自律」の違いについて漢字変換するときとか考えることあるけど明確な違いってあるのかな?

パパ

なかなか深くてぼく好みの質問きた~!ようやく深い話をしあえるようになってきてうれしいぞ~ぜひ意見交換したいなあ~(キラキラ)

ママ

なんか生き生きしてるこの人(キモっ)。そっ、そこまで深い話は疲れるから聞きたくないんだけど。軽いタッチでニュアンス的なことを教えてくれないかな・・・。

ということでこの記事では「自立」と「自律」という2つの似たような言葉についてどういうとらえ方をしたら良いかについてママのリクエストに合わせてなるべく軽いタッチで考えてみたいと思います。

両方ともとても大切な意味があると思っていますので、ぜひその違いをなんとなーく理解してこれからの人生をエンジョイするためにも少しふとした時に考えてもらえたら幸いです。

Contents

■ 自分の足で立つという「自立」

まず「自律」方ですが、漢字からそのまま考えると「自ら立つこと」という意味であるといえそうですが、自ら立つことというのはそもそもどういった意味があるでしょうか。

職人やひな鳥の場合

イメージとしてはひな鳥が親の巣から飛び立つイメージですよね。今まではごはんを食べさせてくれて、寝床を用意してくれてなんの心配もなく親に守られて育てられてきたひな鳥がいよいよ自分の羽で飛び立ち、親から離れて自分の力で生きていく。そんなイメージを「自立」という漢字から感じ取ることができます(あっ、別にダジャレではありません)

もしくは例えば家具職人として親方のところで修行中の弟子が自分でスキルを身に着けて、師匠には教わることがなくなり、自分の工房をもって家具職人として一人前になっていく姿や、すし職人など、職人の姿としての自立ということをイメージする人も多いかもしれません。

サラリーマンの場合

我々サラリーマンもそういう面があります。新入社員として何もわからず入社してOJTでいろいろ教えてもらいながら仕事を覚えて自分で担当得意先をもって営業をしたり、いつの間にか技術部だったらリーダーとして活躍するようになったり。

サラリーマンの場合、若干ぬるいのは、上司は常にいるので隠れることもできますし真の意味での自立ということでいえば自分で起業でもしない限りは自立というのは無いかもしれません。でもまあそれはレアですからそこまで厳密に考えなくても、社会人として自分の力で仕事をこなしたり、自分が人に頼んで仕事を進めることができれば一人前に自立したといっていいと思います。

3つの自立

自立は大きく3つの自立に分かれていると私は考えています。

1)技術的自立

まずはスキル的な自立です。知識や技能が身についていることというのが一つ目の自立です。仕事であれば自分でこなすことができること。家具職人であれば椅子を作るスキルがあること。赤ちゃんであれば自分でおっぱいを吸ったり、ハイハイをするというのも一つ一つ大切なスキルだったりします。このように技術的にテクニックを身に着けるという意味での自立が技術的自立です。

2)経済的自立

2つ目が経済的に自分で生活できるようになるという意味での自立です。親の力を借りずに自分で生活できること。人生は本当にお金がかかることを仕事を初めて自分でアパートをかりて生活してみると感じるものです。学生生活遊んで暮らしていたのも親の金で遊んでいたと感じて悔やむのもこの時期です。ですが、自分が子供ができたら不思議となんでもしてあげたくなるので、そんなに悔やむ必要も実はなかったりします。今まで自分の親に世話になった分、自分は自分の子供に経済的な支援をして、自立を促していくということをしてつないでいけばいい。

3)身体的自立

3つ目が身体的な自立です。これは体力をつけて自分の力で歩き、生活するという意味での自立です。ひな鳥であれば体力をつけて自分の翼で空を飛べるようになるということを指します。人間の場合だと一人で歩いたりモノをとったり字を書いたり、体を自分で動かせるということです。不自由がある方も世の中にはたくさんありますが自分でできる範囲での自立で良いと私は考えています。健常者であっても身体能力に差はありますし、年齢で老いて人の力を借りなければならないときもあります。こういった色々な境遇に置かれたひとがそれぞれ助け合うために社会があります。なのでできる限りの身体的な自立をしたうえでお互いできないところを支えあう社会を作っていくということが身体的な自立という意味だと私は思います。

辞書に書かれている「自立」

辞書ではちなみにこんな感じの説明がされています。

 他への従属から離れて独り立ちすること。他からの支配や助力を受けずに、存在すること。「精神的に自立する」
 支えるものがなく、そのものだけで立っていること。「自立式のパネル」

(引用元:大辞泉)

①他の助けや支配なしに自分一人の力だけで物事を行うこと。ひとりだち。独立。 「親もとを離れて-する」②自ら帝王の位に立つこと。 「其後-して呉王となる/中華若木詩抄」 

(引用元:大辞林)

■ 自分の方向性をつけるための「自律」

それではもう一つの方の「自律」というのはどういう意味が込められているでしょうか。

漢字からすると「自分を律する」とうことになりますが、自分を律するというのはどういった意味があるでしょうか。

自分を律する=自分の価値観に従うということ

自分が自分らしくあるというのは、「自分の判断軸をもっている」ということがいえます。人がなんと言おうと「自分が良いと思っているものを良いと考える力」、「何か選択肢があるときに自分の意志で決める力」。そういったものが自分を形作っているといえます。

それではそういった判断をどうしたらできるかということですが、それは「自分の価値観」がちゃんとあるということにほかなりません。

自分の価値観がちゃんとないと、自分で決めることができません。

そんな難しいこといっても立派な価値観なんてないという人が大半かと思いますが、そんなに難しく考える必要はありません。

「なんとなくいやだ」とか「なとなく好き」というレベルの感情もあなたの価値観なのです。そういった心の本音に耳を傾けて取り繕うことをなるべくやめる。自分の心に従って判断すること。それが自分を律するということだと思います。

自分を律するには人と違ってもいいと考えること

「上司や同僚がこう言ったから」「親がこうい言ったから」。そういった人の価値観を基準に意思決定をしているうちは自律しているとは言えません。

また、そういった人の意見に一切耳を貸さず「うるさい」「何も言わないでくれ」とこころをふさいでいるのもまた、聞く耳を持たないという点で自分の価値観には沿ってはいるものの、自分勝手すぎるので自分を律しているというよりは自分に酔っていることになります。

自律するためには「人の意見も聞き入れつつ、それでも自分はどうしたいかを考え、自分の責任で決める」ということがそろってはじめて自律しているということがいえます。

自分を律するための理念や価値観や信条を醸成すること。そういった積み重ねをすることで人は自律していくことができます。

シンドバッドが教えてくれる「自分の羅針盤を持つこと」

羅針盤とはコンパスのことです。自分の人生のコンパスを持っているということが自律という意味です。

ディズニーランドでシンドバッドの冒険のアトラクションに乗ったことがある人もいると思いますが私は乗る旅に感動してしまいます。乗り物「シンドバッド・ストーリーブック・ヴォヤッジ」の中で流れてくるシンドバッドの曲はまさにこの自律ということについて教えてくれます。

青い空高く帆を上げて 水平線の彼方を目指せ 夢のように光きらめく 宝物が君を待つ荒波が船をゆさぶり 嵐が行く手はばんでも 恐れず進めば友達が手を差し伸べてくれるさ

人生は冒険だ地図はないけれど宝物探そう信じてCompass of your heart

宝石や黄金より大事なものがある

(引用元:Compass of Your Heart)

自分の人生に地図などありませんが、自分にあるのは自分のコンパスという歌詞です。これはまさに自律のことをいっていて、自分の価値観や自分の考え、理念など、自分が自分らしくいるためのコンパスをもっていればつらい旅を進めるということを教えてくれています。

辞書に書かれている自律

こちらの「自律」については辞書ではこんな感じの説明がされています。

 他からの支配・制約などを受けずに、自分自身で立てた規範に従って行動すること。「自律の精神を養う」。
 カントの道徳哲学で、感性の自然的欲望などに拘束されず、自らの意志によって普遍的道徳法則を立て、これに従うこと。。

(引用元:大辞泉)

①他からの支配や助力を受けず、自分の行動を自分の立てた規律に従って正しく規制すること。 「学問の-性」② 〘哲〙 〔ドイツ Autonomie〕 カント倫理学の中心概念。自己の欲望や他者の命令に依存せず、自らの意志で客観的な道徳法則を立ててこれに従うこと。▽⇔ 〔同音語の「自立」は他の助けや支配なしに一人で物事を行うことであるが、それに対して「自律」は自分の立てた規律に従って自らの行いを規制することをいう〕

(引用元:大辞林三版)

さいごに:自立と自律の両輪でいこう

パパ

こんな感じで、自立と自律は音は全く一緒だけど、意味を考えると全然ちがった意味をもっているということになるね。どちらもとても大切なことだといえるよね。

ママ

確かに珍しく今回はわかりやすかったかも。自律の方は価値観とか自分なりの判断のコンパスを持つという意味では人に流されずに自分で考える力って大切な気がした。

パパ

まあ説明はできるけど、自立はできていても自分が自律しているかと問われれるとちょっと微妙なところもあるからまだまだ修行ですな。

ママ

まあ確かに自律するのは難しいけど、自分の心に素直になるのと、色々なものに触れて価値観を確かめていくのが大切だね。子供たちにも自分の気持ちを大切にしてもらいたね!

ということで、今回は自律と自立について簡単にまとめてみました。何となく年を取っていくと自立の方はできていても、自律の方は自分を律するための価値観を特に日本では育ちにくい環境があるので難しいと思うかもしれません。

親や先生の言うこと、会社では上司に従うという思想が色濃い日本では「あなたはどう考えるのか」というトレーニングを受けてきていない場合が多いですし、「人と違ってはいけない」という集団主義的な考えが強かったりするので、自分のコンパスが持てないシステムがあるのでさらにやっかいです。

人と違っていてもいいんだ。人が嫌いといっても自分は好き。

そういった自分を認めてあげることを毎日繰り返して何歳になっても少しずつ自分の気持ちに目を向けていく訓練をすれば何歳になっても自律は目指せるものです。

Keiky.