モチベーションが上がったり下がったり。
私は会社ではまわりからみれば一定のパフォーマンスを安定的に出しているように見えているらしいですが全然そんなことはないです。
一見、落ち着いて淡々とやっているように見えても内面ではジェットコースターのようにモチベーションがばらついてます。年のせいか雰囲気のせいかわかりませんが周りから見える姿とギャップが激しいです。
感情のアップダウンを減らしたい。
常にモチベーション高くいたい。
経営学の世界でもモチベーションはちゃんとした研究分野であるということを知り結構前に知っていろいろな勉強をしました。
最近読んだ早稲田大学の入山教授の本にモチベーション研究に関するまとめ記事があったので、昔色々とモチベーションについて調べたことを思い出したので今回はモチベーションについて書いてみたいと思います。
Contents
■ そもそもモチベーションって上げる必要ある?
「モチベーション上げろ!」とか「もっとやる気出せ」とか言われたことがある人も多いかもしれません。
会社で上司からそういわれる人もいると思いますが、私からすると「部下のモチベーションを上げるのも上司の仕事」と感じます。組織のモチベーションを上げていくことは会社を率いる経営や幹部の重要な仕事の一つです。
前向きに取り組むのと、後ろ向きに取り組むのでは結果は全然違いますし、効率やパフォーマンスすべての影響があるのがモチベーションです。
ではモチベーションを上げる必要があるのか?
モチベーション=やる気のように捉えている人も多く、モチベーションが高くても低くても与えられた仕事に対してしっかりアウトプットできていればいいという私の考えがあまり通じない人は年配の方を中心に多いです。
見た目のやる気を重視する人は結構多いので、アウトプットでの管理ではなく、ただの見た目のやるきとか頑張り、元気の良さを評価する傾向も強いです。
私だったらモチベーションが低くてもアウトプットができていれば良いとますし、モチベーションをあげてもらえるような仕事を提供できていない自分の方を改善しようと思います。
そんな格好つけたことばっかりいっていても仕方がないので、ぼくらのモチベーションはどこからくるのか?ということについて学んだ内容をシェアします。
■モチベーションは3つのことに影響する
モチベーションがどこからくるのか?ということを考える前に「そもそもモチベーションの高い低い」は何に影響するのでしょうか?
一般的には3つのことに影響していると言われています。
1つ目は行動の方向性です。
モチベーションが高いときと低い時にどういった方向性に行動を取るかということが変わってきます。ゴールをどこにおくかということにも関連します。目の前の低めの山を登るのかもっと遠くの高い山を登るのか、モチベーション次第でどの方向に気持ちのベクトルが向くかということが変わってくるといえます。
2つ目は行動の程度が変わります。
ある仕事を成し遂げるためにどれだけ努力ができるかということですが、例えばある実験をしなければならない人が、モチベーションが低ければある程度試験をしてサンプルを作って「結果関係なく自分の仕事は終わり」というように処理してしまうかもしれません。
一方でモチベーションが高ければ成功できるように努力を惜しまなかったり、たとえ良い結果が得られなくても実験から得られたことを成果としてまとめたりします。
「もっとこういうことをすれば成功できる可能性が上がる」という前向きな考えが出てきたりするので、このようにどれだけやるかという程度も変わってきます。
3つ目は持続性にも影響を与えます。
例えば仕事以外ではじめた趣味や自己啓発。筋トレやダイエットも当てはまります。モチベーションが高ければ毎日毎日繰り返しトレーニングをしたり、食事にも気を使うようになったりとにかくストイックに取り組むことができます。
逆にモチベーションが低ければ、流行りのダイエット本や器具を買って何日かやって終わりということで続かなかったりします。これはビジネス書の勉強だったりブログ記事の執筆なんかも該当します。
周りを見て持続的に継続できている人でモチベーションが低い人というのはあまりいませんし、適度なモチベーションで持続的にマラソンのように長期間続けられる人というのがモチベーションが低いというのは考えにくいです。
■モチベーションはどこからくるか問題
このようにモチベーションというのはぼくらの日常に大きく影響を与えています。
ではさっそく本題です。
そのモチベーションがどこからきているのでしょうか?
その理論についていくつか簡単にそれぞれの理論の触りだけご紹介します。
1)すでに人間は欲求がある説(ニーズ理論)
これは最も古くからあるモチベーション研究の理論です。
人間にはそもそも根源的な欲求が備わっていて、それがモチベーションになったり、行動に影響しているという理論です。
マズローの欲求の5段階説というのは有名なので聞いたことがあるかもしれませんが、元から人間がもっている欲求というのがモチベーションであるという考え方です。
マズローの欲求でいけば例えば生理的な欲求や承認欲求や、自己実現の欲求などがありますが、そういった欲求をみたすために人間はモチベーションをもっているという考えなので、当たり前といえば当たり前かもしれませんが、的を得ている理論の一つと言えます。
2)そもそもモチベーションが湧くか湧かないかは仕事による説(職務特性理論)
2つ目の考え方は仕事ややること自体によるという考え方です。
人間の内面というよりは、「そのやること自体」にスポットを当てた理論がこの職務特性理論です。
細かい事はググっていただければ出てきますが、簡単に説明すると、
例えば多様性があったり、アイデンティティがあるとか、その仕事自体が有用性があること、その仕事を自律的に自分ができること、その仕事をやることでなんらかのフィードバックがあることなど、「やること自体」に大きく影響されるという考え方です。
簡単にいってしまうと面白い仕事であれば自然とモチベーションが湧くという考えですね。
このアプローチは私は好きです。何もフィードバックがない仕事だとモチベーションが湧くわけありませんし、やった仕事に対して反応があってはじめて満たされる感情があります。私はなるべく同じ組織の人がした仕事に対してポジティブなフィードバックをするようにしていますが、自分もそうしてほしいというのが本音です。
他にもその仕事が「意味がある(有用性)」と思うこともとても大切です。「こんな仕事してなんの意味があるのか」と思うような仕事では当然モチベーションが湧くわけありません。
3)報酬によって変わる説(期待理論)
これは賛否両論の「期待理論」という考え方です。
例えばある人が何か行動をすることにコミットする(誓う)とします。その人がコミットするという事は、ある確立でそれが実現できるということを本人が期待することからはじまります。
その人は自分がその仕事ができると思うからコミットするわけです。そして、「その結果が達成したらどういう見返りを得られるか?」という期待をもつことになるわけです。
このようにゴールを決めたあとで、そのゴールを達成した時に得られるものに対する期待をもつので、その期待感が高いほど人はモチベーションが上がるという考え方になります。
例えば営業であれば予算達成などが良い例ですね。
ある予算を会社に約束するので達成した時に得られるものをイメージして機体を持つ。この期待が高いほどモチベーションが高いというのがこの理論のベースにある考え方です。
例えば「営業目標を達成したら高いボーナスがでる」というような、あまり日本企業にはなじまないが外資系や欧米の企業など、パフォーマンスと結果がリンクするような職種は有効な考え方といえるかもしれませんが弊害も多いです。例えば個人主義に走るとか協調性がなくなるとかそういったことが言われたりします。曖昧過ぎる日本のスタイルには少し刺激として導入した方が良いと思いますが、どちらが良いか?という白黒は簡単にはつけられない点ともいえます。
ある研究では「その人の評価が能力給であればあるほどその人はより長時間働く」という研究結果もあるので、報酬に対する示唆を与えてくれるのがこの考え方です。
4)ゴール設定理論
4つ目の理論はゴールに着目した理論で、「ゴールを設定することがモチベーションにとって重要」という説です。
人間というのはより具体的で、よりチャレンジングなゴールであるほどモチベーションがあがるというのがこの考え方の基本となっています。その人は達成した成果について明確なフィードバックがあるほどモチベーションがあがるという2つの考え方からなります。
日本企業で働いているとゴールセットが不明確だと感じることが多いです。
私のイメージでは、「遠い遠いゴール」はあるのですが、そこに到達するための到達手段とかマイルストーンとなるようなゴールセットがない感じです。「具体的な手段を考えるのは君たちの仕事」といわんばかりのモヤモヤした目標や、精神論的なことを言う人が多いのも日本企業の特徴です。
それは否定しませんし、企業にとってとても大切なことですが、それだけではだめということです。
これは戦時中の日本も同じようだったのではないか?という感覚をもつこともありますが、例えば「相手に勝つ」という目標だけであとは「最善をつくせ!」ということだけ言われているようなもので、こういった目標だけではモチベーションが続きません。
ちゃんとしたゴールセットがとても大切であるということを教えてくれる理論です。日本企業はとくにこのゴールからのアプローチが弱い傾向が強いですし、ゴールが曖昧だからこそ3つめの理論で書いたような報酬でモチベーションをあげていくということが手段として難しかったりします。
■まとめ
今回はモチベーションが影響を与える3つのことや、モチベーションはどこからくるのか?という4つの理論があるということについてみてきました。
なんとなく自分のやる気が足りないのではないか?意識が低いのではないか?なんでおれは周りと比べてできないんだ?と思ってしまうことがあると思います。
しかし、「必ずしも自分ばかりを責めるべきではない」ということをこれからの理論は教えてくれます。
経営者であれば部下のモチベーションについて、その個人の能力や問題と捉えず、組織としてここまで書いてきたような理論について一つ一つ考えてみてモチベーションを高く維持できる組織について考えてみる必要があります。
また、家庭で子供に対して勉強やしつけを教える場合でも子供のモチベーションが下がらないようにすることも大切です。ガミガミしかりつけるより、モチベーションをもってもらうことを考えた方が実は楽な場合も多いので、少し知恵を絞って人間の特性を考えて対応していければと思ってます。
今日はこのへんで。
Keiky.