禅語に触れる

まずは自分で自分を縛るのをやめることからはじめよう [無縄自縛] 禅の言葉

自分の置かれた環境に対して不自由に感じることがあります。

子供や親や家族の存在、仕事の上司や人間関係、いつも足りないお金や時間など、多くの制約を受けながら毎日過ごしています。

また、そういったものを理由にして自分の意思決定をしていることがとても多く、ある意味自分の置かれた環境に言い訳をして本当はやりたいと思っていることを我慢したり、家族のためだということを考えて本来取りたい選択肢を捨てていることがあります、

そんな様々な制約というのは私たちの意思決定に大きな影響を与えています。

その中には自分で勝手に思い込んでいるものも多いからもっと自由になろう!ということを教えてくれる禅の言葉を今回は紹介したいと思います。

Contents

■ 縛られていることで安定することもある。

まずはじめに振り返りたいのですが、縛られることというのは本当に悪いことなのでしょうか。

我々は冒頭に記載したように、家族や職場やお金や時間など実に色々なものに縛られています。そういった
縛られている状態はとても窮屈に感じます。

一方で実際にそういった束縛がないと不安に感じることというのはあるものです。自分を縛っているものという捉え方もできますが、ある程度の制約があることで生活が安定するという考え方もあり得ます。

例えばですが法律や組織のルールなどが例として挙げられます。それ自体は窮屈で自由を束縛するものですが社会を安定させるという大きな役割があります。

これは社会だけではなく家庭の約束事なども含まれるので、いろいろと制約があることで安定するということもいえそうです。

束縛する人というのはいますが、恋人同士でも宋獏されることで愛情に感じることもあります。全く自由に遊びまわっていいと言われたらなんだか寂しい思いがするという人もいるのではないでしょうか。

このように縛られるというのはある程度あることで色々なことが安定しているといえる面があります。

■ それでも無意識に自分を縛っていることを解放する

制約が安定をもたらすということを書きましたが、いくら安定をもたらすといっても行き過ぎるとやはり窮屈な感じが出てきます。そういった角な制約というのは排除していく必要があります。

その窮屈に感じる束縛の中で最も気をつけなければならないものがあります。

それは「本当は束縛されていないのに束縛されていると”勝手に”自分が考えていること」が結構あるという点です。

自分の頭の中で勝手に解釈して自分を縛っているようなことがないか?ということを常に考えていかないと、本当は自分の体に縄が縛られていないのに、縄があると勝手に思い込んで動けなくなってしまうという状態に陥りがちになります。

自分は家族のために贅沢をしてはいけないと頑なに思って寄り道を一切することを我慢したり、本当は行きたいところがあるのに家族に悪いからと思って自粛して行動をとらなったり。

習い事をしたい、学校にきたい、働きに出たい。そう思っているのに「どうせだめだといわれる」と思ってあきらめていることはありませんでしょうか。

そういったことをパートナーにちゃんと相談してだめだ!と言われてもいないのにそういった相談もせずに”勝手に”あきらめているものがあるという状態こそが、自分を縛ってしまっている状態といえます。

■ 無縄自縛(むじようじばく)

禅の言葉に無縄自縛(むじようじばく)
という言葉があります。

これは「自分を縛っている縄は存在しない。自分の思い込みに縛られている」という意味です。

例えばやりたいことがあるのに家族に相談もせず自分で勝手にやめていることがある場合は、自分で自分を縛っていることになります。

確かにお金や時間などに制約があるので結果的にあきらめないといけないことは出てきます。

そうだとしても相談もせずに勝手にやめてしまっていてはもったいない場合というのはあるかもしれません。

動機によるかもしれませんが、理由によっては他のことをうまく調整して、やりたいと思ってくれることを家族が許してくれるかもしれません。

これはパートナーがいなかったり独身の人でも一緒です。ちょっと興味があることを「年齢的にちょっと厳しそう」とか「始めるのが大変そう」「体力が心配」「お金がかかる」など色々な理由をつけて止めていることはあるはずです。

自分で自分を縛っていることがないか?ということをこの言葉をきっかけに振り返ってみてはいかがでしょうか。

■ 自分を縛るのをやめると人が助けてくれるようになる。

最後にそういった自分を縛っていることを解放するメリットがもう一つあるということをご紹介して終わりにしたいと思います。

それは自分を縛っていることをやめると周囲の人の協力を得られるということです。

自分で縛っていることを他の人はほどくことはできません。
人生の幸せや成功は人それぞれですし、なにを選ぶかも人それぞれです。なので、周りはあなたの選択を尊重してくれますが、自分を縛る選択をしている以上は周りはそれはあなたの選択として何か動いてくれることはありません。

ところが、自分を縛るのをやめてやりたいことにもっと素直になるとどうでしょうか。周りはあなたがやりたいことが分かり、それに対してできていない部分があるとしたらそれを尊重してくれたり、手を差し伸べてくれることが出てきます。

自分で自分を縛ることをやめるとそれを後押ししてくれる人も出てくる。

今日から無縄自縛(むじようじばく)を少し意識してみてはいかがでしょうか。

Keiky.