毎日わたしたちは呼吸をしているわけですが、「意識して息をしているか?」と聞かれると意識していないのが普通です。風邪を引いたり調子が良くないときには気にすることはありますが、普段はほとんど意識しないのではないでしょうか。
そんな呼吸法ですが、実は様々な種類があって、うまく色々なシーンで使い分けると色々な効果があります。
調べていくと納得性の高いものから、やや怪しい手法なども見つかって面白かったので、今回は呼吸法について調べた内容をお届けします。
目次からお好きな項目に飛んで読んでください(長い記事なので)。
Contents
■ 呼吸が私たちの生活にとって大切な理由
呼吸の役割って酸素を吸うためだから別に説明いらなくない?酸素を取り入れて「脳」と「体」に酸素を供給するっていう役割以外にも何かあるの?
まあ確かにそれが一番の大きな役割だけど、「自律神経」という神経が体のバランスをとってくれたりするんだ。この自立神経は神経の中で唯一自分でコントロール可能な神経なんだ。
へー。よく副交感神経はリラックスで交感神経は活動的になるときに必要だっていうよね。そのバランスがおかしくなると体調が微妙になるって言われているよね。
そうなんだよね。僕が精神的に病んでしまったときはまさにバランスがおかしくなって変な時に汗をかくようになったり急に寒くなったり体の調節ができなくなったよ。
今でも軽くあるけど、女性もホルモンバランスが崩れたり体調不良になる人が多いよ。
このように私たちは日常のほとんどは「安静時呼吸」といわれている呼吸を意識していない状態です。
ただ、精神的ストレスだったり体の不調で呼吸が乱れると、脳に供給する酸素が不足してしまったり様々なデメリットが生じてしまいます。
またデスクワークが多い人や仕事や過度のストレス、不規則な生活を送っていると慢性的に過呼吸状態になってしまって口と胸だけで浅い呼吸をしてしまっている場合もあります。
こうなるとひどい場合は逆に酸素を取り込みすぎてふらついたりしびれたりしまうこともあります。
いかに理想的な呼吸法を身につけ、時と場合にあった呼吸を使い分けることが大切なのかが分かっています。
■ 呼吸と自律神経の関係は深い
人間は1回の呼吸で実はペットボトル1本分(500mlの大きいやつ)のサイズの空気が出入りしている状態と言われています。
こういった空気の出入りはガスを交換する役目を果たしています。まず酸素を取り入れるために吸った空気が気道を通って肺に入ります。
その空気が肺胞にから毛細血管に入って、代わりに二酸化炭素を外に出します。このように酸素を取り入れて二酸化炭素を外に出すという体の中のやり取りがざっくりとした呼吸の説明になります。
この呼吸が自律神経に働きかけ、交感神経が優位になると活動的になる一方で緊張やストレスも生まれます。逆に副交感神経が優位になるとリラックスした状態になります。
例えば大事なスポーツの試合に出る場合に交感神経が優位になるのは当たりまえで、そうすることで細胞が活動してパワーを発揮するようにできます。
一方で過度に交感神経が刺激されると緊張が強くなりすぎて普段のパワーが発揮できなくなります。
では副交感神経が優位の方が良いかというとそんなことはなくて、リラックスしすぎてやる気や競争心は沸いてきません。
これとは逆に寝るときに交感神経が優位だと興奮して寝られなかったりするので副交感神経を優位にもっていくとリラックスして良く寝られます。
このように自立神経は生活に欠かせない機能ですが、呼吸を通して自立神経のバランスを整えたり、いざというときにパワーを使えるようにしたり、傷や疲れから回復しやすくしたりすることが大切になってきます。
■ 呼吸に必要な筋肉
ここで少し筋肉の話を。あとあと色々な呼吸法の説明で大切になってくる部分ですし、「ダイエットに効く呼吸!」というようなことを言っている人はだいたいここを論拠として挙げているので知っていて損はない部分です。
実は肺そのものには自動的に動く仕組みはありません。心臓はポンプの役割がありますが、肺そのものには動く機能が全くありません。
ではどうやって私たちは肺を動かして酸素を吸ったり二酸化炭素を吐いたり(実際は酸素も一部吐いていますが)しているのか。
それは肺の下にある横隔膜が大きな役割を発揮しています。
息を吸うときには横隔膜が収縮して下の方向に動くことで胸が上下に広がります。そうすることでそのポンプのような動きにつられて肺が膨らんで空気が入ってくる仕組みです。逆に横隔膜が拡張することで胸が小さくなり空気を外に吐き出しています。
このように呼吸にもっとも大切な筋肉は横隔膜という膜であるということで、ここを鍛えるための呼吸法というのも色々研究がされています。
実際には横隔膜だけで私たちは呼吸をしているわけではなく色々な筋肉が動員されています。
例えば僧帽筋(背中の中央にある筋肉)、胸鎖乳突筋(首の側面にある筋肉)、腹直筋(いわゆるシックスパックと言われる筋肉)、外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋(お腹の側面にある筋肉)、外助間筋・内肋間筋(肋骨と肋骨の間にあって胸を上げ下げする筋肉)など様々な筋肉のおかげで我々は呼吸ができているといっても過言ではありません。
呼吸法を色々と身に着けて筋肉を鍛えることで心肺機能を強化できるので一度呼吸を意識しているのはおすすめです。
■ 呼吸の4つの大分類
ここで一度主な4つの呼吸法の種類について触れておきたいと思います。そのうえで、次の項目として、「最も一般的な腹式呼吸」⇒「ヨガの様々な呼吸法」⇒「目的や利用シーン別の呼吸法」という流れで進んでいきたいと思います。
ご興味がある項目にとびたい方は冒頭の目次から読みたい部分にジャンプしてください!
胸式呼吸
いわゆる意識していない時にしている普通の呼吸です。人によっては常に腹式呼吸の人も多いですが女性を中心に普段は胸式呼吸の人が多いと思います(男性は普段から腹式呼吸の人も多いようです)。
この呼吸法は腹部ではなく常に胸郭の拡張と収縮によって呼吸をする方法です。よく浅い呼吸とか悪い呼吸であるというような言われ方をすることがありますが、そればかりではありません。
ヨガでは腹式呼吸であることが多いですが、実はピラティスでは胸式呼吸を推奨しています。ピラティスでは交感神経をあえて刺激していくことを考えていることから副交感神経優位になる腹式呼吸ではなく、胸式呼吸をとっていると言われています。
腹式呼吸
もっとも注目度も高く、リラックス効果を得るために必須とされているのが腹式呼吸です。ヨガだったり禅だったりいろいろな場面で腹式呼吸に触れる機会も多いかと思います。
腹式呼吸では息を吐くときにお腹を引っ込めて吸うときにお腹を膨らませる呼吸法であり、胸式呼吸法とは逆の動きをします。空気は肺に入っていますが横隔膜の上下が逆になるイメージなのでお腹に空気が出入りしているように感じる呼吸です。
あとで説明をしますが、この腹式呼吸を応用した方法として丹田呼吸法や、4-7-8呼吸法があり、健康に良いとされている代表的な呼吸法が腹式呼吸であるということだけ覚えておいてください。
肋間呼吸
ここからちょっとマイナーな呼吸法です。声楽教師で歌手だったマヌエル・ガルシアが考えた呼吸法で肋骨は持ち上げられ、胃は引き込められる呼吸法とされています。肋骨は広がる一方で内臓である胃が締まるようなイメージの呼吸法ですが、声楽において使われる呼吸法と言われています。ただ、マイナーなので日常生活では使えるシーンはないと思われます。
逆腹式呼吸
4つ目がヨガや気功で使われる呼吸法として腹式呼吸の逆バージョンの呼吸法があります。これは腹式呼吸とは逆に「息を吸う時に腹を引き、吐く時に腹を膨らませる」といった呼吸法になります。
こうすることで息を吸うときには胸郭が大きく開き、吐くときに横隔膜の収縮と呼気筋との拮抗で腹圧がかかるとされています。その効果によって内臓や「第二の脳」とも呼ばれる腸管神経系に刺激が与えられるとされている呼吸法です。。
■ 漫画に出てくる呼吸法!
ここでちょっと余談になりますが、いろいろなアニメや漫画でも呼吸法が出てくる場合がありますよね。
鬼滅の刃「全集中の呼吸」
最近ではこちらがヒットしていますが鬼殺隊の竈門炭治郎(かまどたんじろう)が鬼を倒すための技を繰り出すときに使っている「全集中の呼吸」というシーンがたびたび出てきます。竈門炭治郎が修行を繰り返す中で「全集中常中」ということで常時この呼吸をできることを学んでいきます。この全集中の呼吸についてアニメの影響を受けて実際にやってみようとしているサイトもあるようでみなさんの関心の高さが見受けられます。
肺を鍛え抜くシーンがたびたび描かれており、体の細胞の隅々にまで酸素を行き渡らせることで、身体能力を格段に引き上げるトレーニングが繰り返されています。「全集中の呼吸」は剣士によってそれぞれの流派があり、呼吸法が分かれています。
例えば「日の呼吸」以外にも、水、炎・水・風・岩・雷など呼吸はキャラクターによって分かれている。
ジョジョ「波紋呼吸法」
ジョジョの奇妙な冒険を好きな方は一度は読んだことがあるかもしれませんが波紋呼吸法という呼吸法が初期のジョジョに出てきます。
この呼吸法は体を流れる血液の流れをコントロールして血液に波紋を起こす呼吸法とされており、太陽光の波と同じ波長の生命エネルギーを生み出す秘法とされています。
この波紋を流すことを波紋疾走といっていて漫画では治癒や吸血鬼などの浄化に使っています。この波紋疾走がうまくなると身体能力があがるとされています。波紋法というのは息を5分間吸い続け5分間吐き続けるという情人では不可能なレベルことができて使えるようになるらしいです・・・。
物語が進む中であらかじめ波紋を使えるようになっていくのをジョセフ・ジョースターは超能力と表現し、のちのスタンド能力につながっていくことになります。。
ちょっとファンタジーの世界ではありますがこの漫画以外にも様々な呼吸法が世の中にはありますが、まずは腹式呼吸をマスターするところからはじめて色々な呼吸法にチャンレジしてみることをおすすめします。
■ まずは腹式呼吸をマスターする
基礎編
緊張したり活動のパフォーマンスを上げるために胸式呼吸は有効ですが、多くの方は普段の疲れをいやしたり、リラックスしたいと思っていると思いますので、まずはちゃんとした腹式呼吸を身に着けることから始めましょう。
呼吸に意識を向けることで普段どういった呼吸をしているのか、今自分の呼吸が冷たいのか温かいのか、など変化に気づくきっかけにもなります。
腹式呼吸は、副交感神経を優位にしてくれることからストレス改善、睡眠の質の向上などにつながります。
[やり方]
① まず息を吸おうとするのではなく、吐くところから始めます。最初はなれるために背筋を伸ばして胸を軽く開きます。そして鼻からゆっくりと息を「吐き」ます。肺よりも意識はお腹の方に向けてお腹の中の空気をすべて出すイメージで吐き切ります。
② ここで初めて息を吸っていきます。息を吐いた状態なのでお腹は凹んでいると思いますが、そのへこませたお腹を緩めて鼻からゆっくり息を吸っていきます。その息をお腹に入れるイメージで膨らませていきます。
あとはこの繰り返しをするだけです。これはフルに腹式呼吸をする場合なのですが、普段の呼吸でそこまで大きく息を吸ったり、吐き切ったりすることはないと思いますが、慣れてくるとこまめな呼吸でも腹式呼吸を実践することができるようになります。
[メモ]腹式呼吸がうまくできない人はまずは「大の字呼吸法」
腹式呼吸がちょっと難しいと感じる人はぜひ横になって「大の字」になってみてください。仰向けになっていると自然と腹式呼吸になりやすので意識をしなくても腹式呼吸になっていることが多いです。何となく感覚がつかめるまでは横になって練習してみてください。
ここで2つほど腹式呼吸を応用した方法をご紹介します。腹式呼吸に慣れた方はチャレンジしてみてください。
丹田呼吸法(腹式呼吸の応用1)
丹田(たんでん)というのはおへそから指3本から4本分くらい下のところにあるツボをさします。簡単にいってしまうと、腹式呼吸をしている状態で強くこの丹田を意識するという方法が丹田呼吸法になります。自立神経により働きかけてストレスの解消やリラックス効果を促進してくれる働きがあるとされています。血行の改善で冷え性がよくなったり、何かをするときに自分の集中力をあげることにも効果があると言われています。
4-7-8呼吸法(腹式呼吸の応用2)
何やら忍術のような名前ですがもう一つ腹式呼吸を応用した方法として「4-7-8呼吸法」というのがあります。これは日本発祥の呼吸法ではなく、ハーバード大の健康医学研究者であるアンドリュー・ワイル(アンドルーワイルと表記されることもある)が提唱していた方法です。アメリカでベストセラーになった「癒す心、治る力」という本を書いており、伝統中国医学など代替医療の伝統も取り入れ、人間に本来備わっている自然治癒力を引き出す統合医療を提唱した方です。安倍首相もこのワイルさんが来日した際に呼吸法を教ったという話もあるようです。
やり方としては、
- 1)まず口から完全に息を吐き切る。そして鼻から4秒息を吸う
- 2)7秒間、息を止めて8秒間かけてゆっくりと口から息を吐きだす
というよう方法です。
「いのちの力を高める 9つの呼吸法」という本を書いた呼吸器専門医の打越暁さんもこの方法を提唱されています。
■ ヨガの呼吸法7種類
ここからはヨガの呼吸法について簡単にどんな種類の呼吸法があるかについて書いていきたいと思います。
ヨガの呼吸の基本は「鼻で吸って鼻で吐く」という鼻呼吸が基本ですので、口呼吸をしている方はまずは鼻呼吸になれるところからはじめましょう。
ヨガの呼吸法はプラーナヤーマと呼ばれており、ヨガのポーズや瞑想と同等にとても大切なポイントになります。ヨガのポーズはどちらかというとゆったりとした動きですが、終わった後にかなり疲れたり汗をかくのも呼吸法の影響が大きいといえます。
腹式呼吸法と胸式呼吸法
代表的な呼吸法である腹式と胸式の二つをヨガでも使われています。既に内容は説明していますので省略しますが、腹式は副交感神経を刺激するのでリラックスするとき、胸式は交感神経が優位になるので活動的になるのでリフレッシュしたいときに使うなど、使い分けるとヨガの効果に違いが出てきますので、目的に応じた呼吸法をやることをおすすめします。
片鼻呼吸法
ここからややマニアックな感じになってきますが、片鼻呼吸という方法があります。これは左右の鼻の穴で交互に息を吸ったり吐いたりするもので息を吸わない方の鼻の穴を指でおさえることになります。
ヨガではもともと体の左半分が「陰」、右半分が「陽」ということで陰と陽の関係にあるとされていてそこに片鼻呼吸は左右両方の鼻で交互に呼吸を行うことで働きかけてバランスをとるというが目的です。。
鼻に指を突っ込むのはちょっと品がないので、どの指でもいいのでまげて第2関節で鼻を外から抑える形が良いかもしれません。
右側の鼻を抑えて空気が背骨の左側を通る意識を持ちながら吸います。次に指を離して右鼻で息を吐き、空気が逆に背骨の右側を通る意識を持ってやると良いとされています。今度はその逆を繰り返すというやり方になります。
クンバカ呼吸法
これは横隔膜を鍛える効果もある方法ですが、息を吸った後に一度止めるというのが特徴です。息を止めるときに横隔膜に力が入るので呼吸に必要な筋肉を鍛える効果があります。ちょうどお尻の穴に力を入れる感じでやるとうまく呼吸を止められると思います。
シータリー呼吸法
普段ヨガでは鼻から吸って鼻から吐く方法が基本となっていますが、この方法は口から吸うというのが特徴です。舌をストローのように丸めて口は小さく尖らせてやります。舌を通して息を吸うことによって気化熱が奪われることで冷たい空気を体内に入るので体温調整に使える呼吸法としても知られています。。
ここから最後の2つはさらにマニアックな呼吸法になります。
ウジャイ呼吸法
これは息を吸うときと吐くときに喉の奥で摩擦音をたてる呼吸法です。アシュタンガヨガというヨガで行われている呼吸法で体を温めたり内臓を活発にする働きがありますが、説明が難しいので気になるかたはYoutubeなどで見てみてください。
カパラバティ呼吸法
こちらもマニアックな呼吸法ですが、頭蓋骨を輝かせる呼吸法と呼ばれています。短く吸う呼吸を繰り返しながら息を吸って鼻から息を吐く吸うを小刻みに続ける方法です。リフレッシュ効果が期待できる方法ですが、こちらも説明が難しいので興味がある方は調べてみてください。
■ 究極の呼吸法「完全呼吸法」
ここまで読んでいただきありがとうございます。この章から読んでいただいている方にはここまで腹式呼吸とその応用法、ヨガの様々な呼吸法について説明したことだけお伝えしておきます。
このパートでは完全呼吸法について説明していきたいと思います。この完全呼吸法というのは腹式呼吸、胸式呼吸、肩呼吸(鎖骨呼吸という場合あり)の3つを組み合わせた呼吸法です。
この方法を使うと肺の機能を最大限に活用して体全体で呼吸を行うことができます。常に完全呼吸法で生活することはできません、リフレッシュをしたいとき、座禅を組む時など時間が取れるときに意識的に10分から20分くらい行う場合に使える呼吸法といえます
効果としては酸素を多く取り入れることができるので代謝を促進してくれることや、ストレスの軽減や心肺機能の強化が挙げられます。
[簡単なやり方]
1)まず空気を吐き切ることから始めます。
2)吐き切ったらまず腹式呼吸を使ってゆっくりお腹に空気を取り入れます。
3)そのまま棟をさらに膨らませて胸式呼吸をしていきます。
4)さらに肩を上げるようなイメージでさらに息を吸い込んでいきます。
5)今度は逆に息を吐いていくわけですが、吐くときは逆の順番で肩→胸→お腹に息をゆっくり吐いていくという流れになります。
吸ったり吐いたりする目安としては7-8秒かけて吸って、同じく7-8秒かけてはいていくことを目安に無理にない範囲で続けてみてください。一度やってみると気分がとてもリフレッシュして細胞に酸素やエネルギーが届いている感じがしますので疲れたときや就寝前の日課としてもお勧めです。
■ 目的別呼吸法
いろいろなファッション誌とか雑誌でも呼吸法って特集されていることが多いよね。やせる!とかダイエット!とかで特集されてるけど正直どれだけ効果があるのあわからないよね。
まあ「モノは言いよう」という言葉もあるように、みんな自分の理論を通すために都合の良い解釈をしている場合も多いのは確かだね。
ここまで見てきたように代表的な腹式呼吸やヨガの呼吸、完全呼吸などあるわけだけど、それを応用してそれぞれが主張したい切り口で説明している傾向が強いかな。
わかってはいたけど、そんな魔法のような秘儀があるわけではないもんね。基本は自立神経に働きかけるということ、酸素を取り入れること、横隔膜を鍛えることくらいに集約されるね。
まあでも調べてみて面白かったよ!
色々な効果はあるのは間違いないから呼吸がもたらす健康効果についていくつかここでは以下の項目について説明をしていくね。
ここでは以下のような切り口で呼吸法をご紹介しますが、科学的に実証されているかどうかは微妙な場合もあるので参考程度にとどめて下さい。やってみて効果があると感じるものだけ取り入れても良いかもしれません。
- 力の発揮
- 体の回復
- メンタルやストレス改善
- 不眠や緊張の改善
- 喘息の緩和
- 過呼吸への対応
(テニス・ゴルフ・格闘技・歌・禁煙・出産などのシーン別の呼吸法は最後の章でご紹介しますので興味がある方は冒頭の目次から飛んでください)
力を最大限に発揮するための呼吸法
何か重い荷物を持ちあげるときや、強い力で何かを押さない時に使える呼吸法です。これはボディビルダーの重量挙げに習った方法といえます。
方法としてはまずはお腹をへこませないようにしながら深呼吸をします。イメージとしては胴周りがベイマックスのように膨らむイメージであらゆる方向にふくらむイメージをまず持ちます。通常の鼻呼吸とは異なり口からでいいので数回に分けて息を吸います。
次に股間に力を入れながら重いものを持ち上げたり、何かを押す動作を勢いをつけて行います。力の限界がきたら少し息を吐き、また息を止めます。そこで一度動作をやめるととともに完全に息を吐きだすというところまでが力を出す呼吸になります。連続して動く場合には効果はありませんが、一度大きな力を出す場合には効果があるので試してみて下し亜。
回復を促す呼吸法
何か体を動かしたりあとだったり、よく眠るための効果があるとされている呼吸のやり方です。
まず例えば横になるなど楽な姿勢をとります。口で息を吸いって胸とお腹を膨らませます。そして勢いよく息を口から吐き出します。最後に絞り切るようにお腹に力をいれて吐き切ったあとにまた深く息を吸うという繰り返しを何分かやるというのが具体的な方法です。
手はお腹においてもいいですし、横になっている場合は手のひらを上向きにして腰の横に置いて呼吸をだんだんとゆっくり優しい呼吸にしていくとリラックス効果もあり疲労回復に役立つとされています。。
メンタルやストレスの回復させる呼吸法
次は体ではなく、どちらかというと精神的な疲れやメンタルをやられてしまったときに効くとされる呼吸は主に「腹式呼吸」が良いとされています。
鼻から吸って鼻から吐くという腹式呼吸を深くやることでいつもは吸った空気の7割しか吐き出していないのを完全に吐き出して循環させることでリフレッシュ効果があり、血液の巡りも良くなります。
腹式呼吸のやり方についてはこの記事の前の方の「まずは腹式呼吸をマスターする」に記載してます。
腹式呼吸は乱れた内臓の動きや血流管、体温の調節といった身体の機能を調整してくれますのでストレスが引き起こしたのコリ、頭痛、胃の不快感、不眠、食欲不振などの不調bにも効果があるとされています。
不眠や緊張に効く呼吸法
不眠に悩んでいる人の多くは胸式呼吸になっている人が多いとされています。胸式呼吸は交感神経が優位になるので体が活発になり寝ている途中で起きてしまったり、なかなかねつけなかったりします。
また、緊張しやすい人も胸式呼吸になっていて、胸式呼吸をすることで交感神経が優位になってしまってさらに体が緊張してガチガチになったりパニックになりやすくなります。 プレゼンをしたり人前で話すなど緊張してしまう場面ではどうしても胸式呼吸になってしまいます。
このように緊張や不眠にも腹式呼吸で対応ができますので、「腹式呼吸の基本をマスターする」という章を読んでいただければ改善に向けた呼吸法を身に着けることができると思います。
喘息の緩和
喘息の方は特に息の吐き方に注意をすると良いそうです。口をすぼめた形の呼吸と腹式呼吸の組み合わせを身に着けると症状が緩和するようですので持病がある方は医師の指導に従って適切な呼吸法を教えてもらってください。
口をすぼめることで気管支を広げる効果があるとされています。気管支を広げて呼吸をするということを腹式呼吸でやると息をしやすくなると言われています。。
過呼吸に対処するための呼吸法
過呼吸や過換気症に対しても腹式呼吸は有効です。神経質な人や、不安を感じやすい人、緊張しやすい人、うつ病やパニック症などがある人にも腹式呼吸は手助けになると言われています。
過呼吸は不安や極度の緊張などで何度も息を激しく吸ったり吐いたりして過呼吸の状態となることで発生します。体内にある二酸化炭素が放出されて、炭酸ガス濃度が低くなることで本来は中性であるはずの血液がアルカリ性に偏るそうです。
そうすると中枢神経は炭酸ガス濃度の低下を抑えるために呼吸を抑制しようとすることで、人は息苦しさを感じて余計に激しく呼吸をしようとすることが過呼吸の状態で、最終的には血管が収縮し手足のしびれや筋肉のけいれんにまでつながります。
■ ダイエットに効く呼吸法って本当?
この章では「ほんとなの?」と思うようなダイエットに効くとか、くびれる呼吸法とか、痩せる呼吸法、若返る呼吸法とかそういった呼吸法について少し見ていきたいと思います。
ここまでいろいろな種類の呼吸法があることや、目的別に様々な呼吸法が世の中にはあるということを書いてきました。そういった知識を総動員して、若干「まゆつば」な気がする美容やダイエットに効くと言われている呼吸法についてみていきたいと思います。
ただ、理にかなっている面もあるので必ずしも否定するものではありません。いろいろな調査をした結果、だいたいどういったことを狙っているのかわかってきたのでその内容をシェアします。
呼吸法ダイエットの理屈
腹式呼吸がいわゆるダイエットに効くということをうたっているサイトがかなり多いです。ヨガのところでご紹介した片鼻呼吸法、腹式呼吸の応用編である丹田呼吸法もダイエットに効くという説明が多くみられます。
だいたいどの説明も理屈としては「肺を膨らませる→横隔膜が広がり血行促進する→やせやすくなる」といわれています。
ようするに呼吸に使う横隔膜を鍛えたり、呼吸に動員される周辺のインナーマッスルを呼吸で鍛えることができるということを言っているということになります。
腹式呼吸をうつぶせでやったり、半うつぶせ(半腹臥位・はんふくがい)の姿勢をとって腹式呼吸をすることで負荷を上げられるという方法もいろいろと紹介されています。
嘘ではありませんが、痩せることに大きな効果があるかというと若干疑問ではあります。「筋肉量を増やせば消費カロリーが増える」ということで筋トレをダイエット目的でやるというトレンドが強いですが、筋肉の増量による消費カロリーの向上は実はしれています。どちらかというと「筋トレを通じて食事に気を付けることで自然とタンパク質・脂質・炭水化物のバランスを意識したり、お菓子が減るため減量できる」というのが、実際に筋トレを実践してきた私の実感です。
筋トレをすると体脂肪が21%から16%に減りましたが、筋トレをしながら消費カロリーとPFCのバランスに気を付けて意識的に脂質は減らしタンパク質を増やしてきた結果、体重は66kgから67.5kgに増量しましたが、ズボンがガバガバになり締まった体になりました。
こう考えると横隔膜や呼吸に必要な筋肉を鍛えることでダイエット効果があるかというと「あるけど微量」というのが正しいかもしれません。
呼吸を深めるとエネルギー消費量が上がり脂肪が燃える?
これも良く女性誌で見かけました。深い呼吸を意識的にするだけで脂肪が燃えやすくなるという説明で、腹式呼吸がその具体的な方法として紹介されています。ダイエットのところでも説明をしましたが、これも効果がないわけではないが大きな変化があるわけではないというのが正解かもしれません。
良くある説明としては、新鮮な酸素を体内に入れて血管を活性化させて血流や代謝があがり、脂肪燃焼に繋がるというものがあります。雑誌によっては「胸式呼吸をすることによって内臓脂肪をも分解する」という説明があってぽっこりお腹にも効き目があるという説明があり、これはさすがにちょっと書きすぎな気がしました。
中には呼吸法を変えるだけでくびれるというような情報もありましたがトレーニングや食事制限なく呼吸法だけで達成することは難しいと思われます。
若返る呼吸法?
これ以外にも若返る呼吸というものを提唱している情報もありました。禅僧の呼吸法を発展させて内臓やインナーマッスルをマッサージするように呼吸する方法などもあるようです。
ダイエットや脂肪燃焼の情報と同じく血行を良くして代謝を上げる、自律神経のバランスを整えて女性ホルモンの分泌をよくするということを効果としてうたっているサイトも見受けられました。
一つ一つは効果がどうか?というとよくわからない部分が多いですが、自律神経を整えることや血行が良くなることは本当ですので、そういったものがどれだけ美容に寄与するかについては個人差もあるでしょうし、誇張された表現を鵜呑みにせず、自分が信じられる方法で呼吸法に取り組むことをお勧めします。
■ 色々な流派
前章のダイエットや美容に関する呼吸法はいかがだったでしょうか。理にかなっている部分もあれば誇張した表現も含まれていたり、冷静に呼吸法とその効果について自分で確かめる重要性についてわかっていただけたと思います。
この章ではよく聞くことがあるメジャーな呼吸法についていくつか調べたのでご紹介したいと思います。本当にバックグランドがしっかりしたものから若干怪しいものもあるかと思います。
私には判断がつきませんのでここではあくまで紹介に留めますが、もし何かのきっかけでセミナーや道場通いを始めようと考えた方は冷静に判断して本当に良いと思えたら参加する冷静な気持ちで調べてから「自分にとって必要なものなのか」検討をされた方が良いと思います。
調和道丹田呼吸法
藤田霊斎(1868年-1957年)が生み出した呼吸とされていて、体の自然治癒力を高め病気を克服する、心を安定させたり、スポーツや格闘技などで上達するのに効果があるとされている呼吸法です。横隔膜を鍛えることを重視していて、上半身はリラックスし、下半身はどっしりした状態を理想とした呼吸法です。上虚下実(じょうきょかじつ)というようです。
やり方としては「三呼一吸法」といってフッ、フッ、フーッと3回連続で息を吐いて吸うときは自然に空気が入ってくるように一息で行うというやり方です。
西野流呼吸法
西野皓三という西野バレエ団の創始者がつくった健康法です。ちょっとスピリチュアルな感じがしますが、呼吸で細胞の活性化を狙うということを目的としている呼吸法です。「気」を科学的に実証するため国内外の研究機関と共同研究をしていたり、実践者が医学関係者にいる呼吸法です。
呼吸法としては呼吸の「基本編」と呼吸で培った生命エネルギーを交流しあう「対気」という2段階があります。
私も入門したわけではないので詳細は気になる方は調べていただきたいですが、基本の呼吸法は以下のようにやるようです。
- 華輪・・全身を緩めて火消のまといのように左右に捻じる。中段、上段、下段がある。
- 天遊・・もっとも基本的な足芯呼吸。天真爛漫な子供が遊ぶイメージで呼吸を行う。
- 円天・・天に大きな円を描くように両手を広げる足芯呼吸。
- 行雲・・大空を進む雲のイメージで身体を動かす足芯呼吸。
- 天翔・・空翔る天馬のイメージで悠々と身体を動かす足芯呼吸。
- 蓮行・・水面に蓮が華開くイメージで行う足芯呼吸。
- 無辺・・身体の中心である丹田の存在を感じとりながらゆっくりと首をまわす。
二木式腹式呼吸法
日本の細菌学者であり医師である二木 謙三(ふたき けんぞう(1873年- 1966年)。が考えた呼吸法で胸と腹が一緒に出て一緒に引っ込める方法です。肺の呼吸面をまんべんなく広く息を吸うときは腹が膨れるように硬くなるように吸い、あまりいきまないように少しとらえてから静かに吐き出すという方法です。完全呼吸法に近い印象を受けます。
岡田式呼吸静坐法
大正時代に健康ブームの火付け役となった岡田虎二郎によって創始された呼吸法で岡田式静坐法ともいうそうです。やり方としては以下のようなやり方をするそうです。
- 深めの正座をする
- 腰を立て背筋をまっすぐにしてみずおちを落とし胸と肩の力をゆるめる。
- 両手は深く軽く組んで腹につけ、掌を下にして膝の上に置く。眼は堅く閉じ顎を引く。
- ここまでが姿勢ですが、そこから静かに息を吐きながらお腹に力を入れて全部吐き切らずに20%ほど空気を残しておく。
- 次にお腹の力をゆるめ、鼻から自然と入ってくる息をそのまま吸う。
廣川流呼吸法
呼吸法(気功)研究会主宰の廣川隆志さんが提唱されている呼吸法です。呼吸は気・生命エネルギーを生み出す力を向上させるとしています。
■ シーン別おすすめ呼吸法
いろいろな呼吸法があることを書いてきましたが、この章では具体的に使えそうな呼吸法をシーン別に書いていきたいと思います。主なシーンは以下について触れています。
- ゴルフやテニスに良い呼吸法
- ランニングやジョギングに良い呼吸法
- ピラティスに効く呼吸法
- 登山に良い呼吸法
- 格闘技や反応系に良い呼吸法
- 合気道に適した呼吸法
- 歌によい呼吸法
- 出産に良い2つの呼吸法
- 禁煙に効く呼吸法
ゴルフやテニスに良い呼吸法
テニスもゴルフや野球など、いわゆるボールを打つという動作にとって適切な呼吸というのは吸うべきか吐くべきか、止めるべきかというのは悩むポイントかもしれません。
入手できる情報からいろいろな方の解説を分析していく基本的には打つ前に吸うというのが基本としてあり、それを打つときに吐くか止めるかという違いはあることが分かりました。一方で「呼吸を全く意識していない」というゴルフプロも半数以上いるようなので、呼吸を意識してスウィングしていない人も多いのが現状です。
人間は”吸ことで力が入って吐くときに力が抜けるのでこの作用を使ったのが深呼吸になるわけです。何か正確な作業を手元でやる場合はなど集中しているときは息を止めていることも多いです。
息を止める効果としては肺の内圧が高まるので体がぶれないというメリットがあります。このメリットを活かしたのがダーツやビリヤード、弓道や射撃など、打つ瞬間に軸をブラ佐内ように息を止めている場合が大半です。1発1発が勝負のこの分野では息を止めてアクションをとるというのが適しているといえます。
一方の格闘技など連続して技を繰り出すような場合は息を吐きだして打つという場合が多くここぞというときの1発では息を止める場合はあるかもしれませんが基本的には吐きながら打つという動作を繰り返しています。
こう考えるスウィングの際は息を吸いながら構え、インパクトの瞬間小さく息を止めて売ったあとに吐くか、息を止めずに吐くという呼吸法がボールを打つような競技では適していると言えます。
ランニングやジョギングに良い呼吸法
続いてランニングやジョギングなどの呼吸についてです。朝や夜外を走っている方や、事務でトレッドミルで汗を流す方もいらっしゃると思いますが、どういった呼吸がもっとも適しているか考えたことがあるひともかなりいるはずです。走る際に適切な呼吸法というのはあるのか色々と調べてみました。
結論としては色々は呼吸法がありますが、基本としては「リズムをキープする」ことを重視している点はそれぞれの方法は共通していると言えます。自然なリズムで呼吸し、一定の脚の運びや腕振りを保って走ることが大切だと言われています。
走るリズムとしては基本的にプロではない一般ランナーは4拍子(4歩に1呼吸)が多いようですが、中には3拍子(3歩に1呼吸)という方もいらっしゃいます。どちらが正解ということはなく、自然の走るリズムを保てる方で良いとされていいます。
あと共有して言われているのは「息を吐く」ほうに力を入れることです。どうしても息を吸うことを意識してしまいますが、息をまず吐くことに集中して吸う際は自然と空気を吸うような感覚で走ると良いとされています。
ランニングやジョギングに使われる代表的な呼吸法について3つご紹介します。
◆呼吸法①「2回吸って2回吐く」
いわゆる「スッスッ、ハッハッ」というリズムで2回吸って2回吐くという方法です。一番メジャーな呼吸法と言われています。マラソンでは普通の1回吸って1回吐くというペースでは酸素が不足してしまうので2回吸うということが効果を発揮します。
◆呼吸法2「深く吸って深く吐く」
これは普段と同じように1回吸って1回吐くという方法ですが、それぞれ深く吸って深く吐くという細かく呼吸しない呼吸法です。「スッスッ、ハッハッ」とテンポよく呼吸するのではなくゆっくりスーっと吸って、ゆっくハーっと吐く呼吸法です。市民ランナーにはこの呼吸法で走る方も結構いるようなので2回吸って2回吐くという方法になじめない場合は試してみてください。
◆呼吸法3「6拍子呼吸法」
これは「3回吸って3回吐く」という方法になります。こまめに吸ったり吐いたりすることがなじみなやすい方や、歩幅を狭く細かく走るタイプの走法の方には適しているとされています。「スッスッスッ、ハッハッハッ」という呼吸になるわけですが、ただしある程度肺活量が必要なので合う合わないはあるとされている呼吸法です。
これ以外にもいろいろな呼吸法がありますが、まずはこの3つから自分に合ったものを選ぶということで良いと思います。また、途中で息が苦しくなったときには「リズムを気にせず一度吐き切る」ということを不定期に行うことも良いとされていて、吐き切ることで一度大きく息を吸って新鮮な空気を肺に入れる効果が期待されています。
ピラティスは実は胸式
ヨガについては7つほど呼吸法があるという話はヨガの章で説明をしましたが、ピラティスについては胸式呼吸をすることが基本となっています。何となく腹式呼吸をイメージしがちですが、ピラティスで重視しているのは、身体の体幹やインナーマッスルを鍛えることなので、より活動的になる胸式姿勢を使っています。
副交感神経を刺激する腹式呼吸と違って胸式呼吸は交感神経が優位になるのでリラックスとは逆の方向に神経が働き活動的な状態に体を持って行くという効果があります。。
登山に良い呼吸法
続いて登山です。山を登るときのリズムはゆったり大きくというのが基本で、とても長い期間持続力が必要になるので呼吸のリズムも大切になってきます。
多くのガイドブックやサイトででは高山病対策のために腹式呼吸をすすめている記述を色々とみかけます。一方で、あまり気にせずテンポよくリズムをもってゆっくり歩ける呼吸を意識するだけで良いという方もいらっしゃるので必ずしも腹式呼吸に固執する必要はありません。
息苦しく感じたら歩くペースを落として自然と呼吸をすれば高山病になるリスクも低減されるとされていますので、余裕がある方は腹式呼吸を意識してそうではない方は自然とゆっくり呼吸できるペースを意識していればよいと思われます。
休憩中は深呼吸をしたり腹式呼吸をするなどリラックス効果を高めることで体は回復しますのでまた歩き出す力を蓄えることができるようになります。
山頂で有圧呼吸法をすると良いという記述もいくつかのサイトで記載がありました。これは一言でいうと、血液の中の酸素濃度を上げる方法で、息を吸った後に数秒息をとめてからゆっくり息を吐くという方法です。こうして血中の酸素濃度を上げて体に酸素をいきわたらせることが重要です。
格闘技や反応系に良い呼吸法
千葉大の研究によると動きの変化に早く反応できるのは息を吐いている時ということが科学的に実証されているようですので、格闘技などの種目では息を吐いて動作を行うということが大切だということが分かってきています。
相手がどういった技を繰り出しているか注意深く見ている必要がありますので、そういった場合は息を吐いている方が反応できるということになります。
剣道では吸う息を短くして吐く息を長くするという呼吸法重視されており吐いている時間を長くとることが良いとされていることを証明していることになります。
ボクサーも打つときにシュッと息を吐いて打つことでパンチの速度や相手へのカウンターに警戒できるとされているので理にかなっていると言えます。
合気道に適した呼吸法
格闘技というよりは護身術である合気道ではどうでしょうか。
合気道ではやはり「気」を大切にしているので自然な姿勢を保ち、息をゆっくり吸ってゆっくり吐くということを静かに繰り返すことが良いとされています。極端に息を吐き切ろうとしたり思いっきり吸うようなことはせず、静かに凪のように呼吸をすることが重視さされています。
腹式呼吸を推している人もいるようですが、腹式呼吸は「隙を生む」と言っている方もいらっしゃるようなのであくまで自然と呼吸をすることが良いとされているようです。
歌やヴォーカルに良い呼吸法
歌を歌う際には自然の呼吸が良いとされていますが、トレーニングについてはは腹式呼吸や完全呼吸法というこの記事の前の方で説明したお腹、胸、肩全てを総動員した呼吸法が使われています。
腹式呼吸だけで本番に使ってしまうとお腹はふくらみますが、かえって肩や胸が緊張する傾向が出てしまったり、緊張で声が硬くなったり、胸と肩に力が入って躍動感がなくなってしまうというデメリットもあると言われています。
出産時に行う2つの呼吸法
これはお産をされる方にしか意味はありませんが、出産のときに使う呼吸法についても一般知識として少し触れておきたいと思います、私も妻が2回娘を産んでくれていて立ち会っていますので、一緒に呼吸法をやったことを鮮明に覚えています。
①ラマーズ法
一番メジャーな方法で「ヒッ・ヒッ・フー」という呼吸です。これは陣痛がかなり進んでいるときに使いますが、波のように押し寄せてくる陣痛が弱いときはゆったり3拍子で「ヒー・フーー」と息を吐くような呼吸をして、子宮の収縮が和らいだら深呼吸をするなどの組み合わせをして呼吸をすることになります。
子宮口が開いたときは「いきむポイント」になるわけですが、息を吐いてぐっと息を止めていきみます。吐いたら今度は息をこまめに吸ってまた繰り返すことで徐々に赤ちゃんが出てくるという流れになります。
②ソフロロジー法
我が家はこちらの方法を使いました。このソフロロジー法という方法はヨガで取り入れられた呼吸法の応用で、うちはうまく使えた呼吸法です。できるだけ長く息を吐くことがポイントとなる呼吸法でリラックスすることに主眼がある呼吸法と言われています。
陣痛が来たらなるべく長く「フー」と息を吐くことに集中して陣痛の波が去ったら全身の力を抜くという繰り返しをすることになります。また、子宮口が全開したら息を止めずにグーといきむイメージで呼吸をします。呼吸を止めていきむのではなく息を吐きながらいきむというのがポイントとなっています。(書きながらちょっと思い出して涙目になっています笑)
■ 禁煙に効果がある呼吸法
これで最後になりますが、禁煙中にタバコが吸いたくなった方向けの呼吸法というのもあります。禁煙呼吸法という言い方が正しいかわかりませんが吸いたくなったときにタバコを吸うような呼吸法をすることで気持ちを静める効果があるとされています。
方法としては鼻から空気を一気に吸い込んで数秒間息を止めた上で、ゆっくり)口をすぼめて息を吐くというのが方法になります。
これを数回繰り返すことで喫煙習慣の精神的な依存性を下げる効果があるようです。息を止めるところも効果があり、一時的な酸欠状態をつくることで疑似的に吸ったときのような感覚を生み出していると言われています。
■ 最後に
以上、呼吸法に関するまとめでしたがいかがでしたでしょうか。
まずは腹式呼吸をマスターしてそれを応用して丹田呼吸法や4-7-8呼吸法を練習しても良いですし、ヨガやピラティスを習っていく中で色々な呼吸法に触れることでも良いです。
もしくはシーン別に使える呼吸法や何か趣味がある場合はその趣味に適した呼吸法を学んでいくこともパフォーマンスを上げるために良い効果があるかもしれません。
自分の呼吸に意識を向けてみること。そこから改善できることもあるのではないでしょうか。皆さまの呼吸が良い音色で響くことを願っています。
Keiky