誰とも比べず、自分軸ですべてのことを考えられていて、人が何と言おうが自分がいいと思うものを自信を持っていいと思い、人もそれぞれ大切にしてるものがあることを常に大事に思っていて強要しないひと。
わたしはそんな人になりたいと常々思っています。昔働いていた部署にそういう先輩がいました。その人は仕事で成功しているわけではありませんでしたがとてもまじめで受け止める力があり肩の力が抜けたとてもいい雰囲気の人でした。
私生活では人に何と言われようが気にせず自分が好きなことを好きなだけ打ち込むような人で、仕事上の尊敬とは別の軸でその先輩のことをすごいなあと思えるような人。
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そんなひとと違って、私のような人間の脳みそは暇になるとどんどん思考に毒されていく傾向にある。僧侶の小池龍之介さんの「考えない練習」「煩悩リセット稽古帖」に書かれているようないわゆる煩悩から離れられないことも多いです。
仕事に集中してゾーンに入っているようなときは特別で、周りが何も気にならず食欲すら湧かず圧倒的に集中できますが、そうではない時には余計な思考が頭の中を支配してきてしまうので、それを振り払うのにも時間がかかります。
そんな割と感情の起伏やアップダウン、落ち込んだりすることが多いわたしにその先輩が届けてくれた大切なことがあります。
それは詩人・ウォルトホイットマンの「草の葉」という詩集。そこに書かれている以下の一節が忘れることができず手帳に書き留めています。
「動物は落ち着いていて無口だ。彼らは自分の境遇を悩んだり泣き事を言ったりしない。誰も不満に思うことなく、誰も物欲に狂ったりしない。格好つけるものもいないし不幸なものもいない」
その先輩はインディアンの教えやと登山家の教えから高僧の教えなどを学び休日は山に入り畑を耕したり山を登ったりとにかく変わった人でした。オオカミと暮らしている男の話など、ビジネスのことばかり考えているわたしにそういった世界とは程遠い世界のことを色々と教えてくれた人です。
そんな彼は「人と比べる」ということは一切しない人で、なんというか生き方が素敵な先輩でした。今は引退されて奥さんとゆっくり山の生活をしているそうですがまた会いたいものです。
あの時よりも成長していればいいのですが。
Keiky.